2015.10.17 (Sat)
「金魚姫」 荻原浩

金魚姫 荻原浩
勤め先の仏壇仏具販売会社はブラック企業。同棲していた彼女は出て行った。うつうつと暮らす潤は、日曜日、明日からの地獄の日々を思い、憂鬱なまま、近所の夏祭りに立ち寄った。目に留まった金魚の琉金を持ち帰り、入手した『金魚傳』で飼育法を学んでいると、ふいに濡れ髪から水を滴らせた妖しい美女が目の前に現れた。幽霊、それとも金魚の化身!?漆黒の髪、黒目がちの目。えびせんをほしがり、テレビで覚えた日本語を喋るヘンな奴。素性を忘れた女をリュウと名付けると、なぜか死んだ人の姿が見えるようになり、そして潤のもとに次々と大口契約が舞い込み始めるー。だがリュウの記憶の底には、遠き時代の、深く鋭い悲しみが横たわっていた。(BOOKデータベースより)
萩原さんらしい本だった。
他の作品でも言葉遊びとか多いんだけど
今回もまたそれが生かされてました。
金魚なのに人の姿にもなり、えびせんを食べてテレビを見る。
その姿は金魚とわかっていながらも面白く楽しい。
ブラック企業に勤めていてもう鬱寸前というか、鬱状態になるのにそこからの脱却。
挙句に死んだ人も視えるようになり、仕事もはかどるように(仏壇屋さんだから)
リュウ(金魚)はリュウでテレビを見、
明らかに「金麦だろ」というCMのパクリをし(笑)
最初はこんなかんじで笑わせてくれるんだよねー。
しかし最近の萩原作品は必ずしもそういうわけではなく、ラストはしんみり。
潤本人にしろ。
その後潤の前に姿を現さなかったリュウにしろ。
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