igaigaの徒然読書ブログ

読んだ本の感想を気ままに書く読書ブログ。時々映画鑑賞。

「チュベローズで待ってる」 加藤シゲアキ



チュベローズで待ってる 加藤シゲアキ

就活に惨敗し、自暴自棄になる22歳の光太の前に現れた、関西弁のホスト・雫。翌年のチャンスにかけ、就活浪人を決めた光太は、雫に誘われるままにホストクラブ「チュベローズ」の一員となる。人並み外れた磁力を持つ雫、新入りなのに続々と指名をモノにしている同僚の亜夢、ホストたちから「パパ」と呼ばれる異形のオーナー・水谷。そして光太に深い関心を寄せるアラフォーの女性客・美津子。ひとときも同じ形を留めない人間関係のうねりに翻弄される光太を、思いがけない悲劇が襲うー。

面白かったですよーー。
いつも思うけれど、一部のジャニーズのバカファンのせいであまり評価がされないのを
気の毒に思います。たとえばこの記事→サイゾーウーマンより

ちょっとひねくれれて、世の中を他人のせいにするようなイマドキの光也。
受けまくっていた就職活動、ぜーんぶ落ちちゃって結果的に次の就職活動時期までホストをやることに。
父は死に、母は病弱で退院したばかり。中学受験したいという妹。
そういう面々に囲まれるとお金必要だよね。

で、一足先に旅行代理店に就職した彼女というのも光也をひねくれさせるには十分な感じ。

いろいろな人間関係がとりまき、ラストは「えーーー??」と思うものの
良く考えてみるとそういうこともあるのかとも納得。
次の「AGE32」に行きたいところですがまだ手元になし。
いつになるか分からないけれど楽しみです。
ただ、「32」なんだ。10年後なのか。
「23」だと思ってて、そのまま次の年の話かと思ってました。
10年後となると取り巻く環境とか変わってくるだろうし、
どういう流れになるのか楽しみです。

「テーラー伊三郎」 川瀬七緒



テーラー伊三郎 川瀬七緒

福島の田舎町で、ポルノ漫画家の母と暮らす男子高生・海色。17歳にして人生を諦めていたが、ある日、古びた紳士服店「テーラー伊三郎」のウィンドウに現れた美しいコルセットに心奪われる。頑固な老店主・伊三郎がなぜ女性下着をー騒然となる町内を尻目に、伊三郎に知識を買われたアクアは、共に「テーラー伊三郎」の新装開店を目指す。活動はやがて、スチームパンク女子高生や町に埋れていた職人らを巻き込んでいき…。仕立て職人と少年が“コルセット”で革命を起こす!?灰色の日々を吹き飛ばす、曲者(主に老人)揃いの痛快エンタメ!

海色と書いて「アクアマリン」と読む。
めっちゃDQNな名前。

別の本にもありましたが、川瀬さん、ジジババ描くのが上手です。
生き生きとしているんだよねー。
世の中こんな元気なジジババばかりだったら困らないな~。

コルセット・・・憧れの下着というよりは、「タイタニック」でのシーンのイメージが強く
「これつけたら何も食べられん」
という印象しかないw

とにかく締めて締めて締めまくるという下着ではないだろうか。
それを綺麗に刺繍したりとか、かわいいデザインにして
ジジイと高校生が「革命」という名のもとに新規開店をもくろんで頑張る話。

最初は「あそこのジジイ・・・とうとうイカれたか」
と、思われていたけれど、近所のばーさんたち
向かいのカメラ屋のジジイ。憑き物やのばーさん達が協力していきます。

面白く読みましたが、悪役(?)の活躍がいまひとつで。
どうせならもうひと悶着あって、そしてスッキリ解決させても
良かったのではないかと思ったのでした。

「卑弥呼の葬祭」 高田崇史



卑弥呼の葬祭 高田崇史

宮崎・高千穂の夜神楽で、男性の首なし死体が発見された。宇佐神宮では、御霊水の三つの井戸に、女性の首と両手が。折も折、萬願寺響子の従弟・漣が「卑弥呼の調査に行く」と言い残して行方不明に。続発する怪事件を解決するには、日本史の根幹を覆す発想と「あの男」が必要だったー。天岩戸神話に隠された逆転。卑弥呼と邪馬台国の真実。

相変わらず、現実の事件は適当です。
以前は「現実の事件ほとんど解決してないんじゃない!」と不満に
思っていたのですが、最近森博嗣さんの本を読むようになったら
だいぶ寛容になりました(そのくらい森さんはひどいw)。

さて、卑弥呼です。
私は鯨統一郎さんの説がお気に入りだったので、
「魏志倭人伝」にある卑弥呼という限定であれども「九州」という説だったので
少し残念でした。
でも、宮崎だったか熊本に(どっちかなんだけど、この話が2県にまたがって
たのでどっちか忘れた)八幡という場所があるらしい。
まぁ「八幡」ってどこにでもあるよね。

でも、卑弥呼となると何というか「実在した」というイメージが湧きますが、
天照大神になると何というか・・・神話のイメージです。
本当に実在したのか。
何かはあったんだろうけれど、実在っていうイメージじゃないなー。

「響子と漣」というシリーズで、2冊目だったのですが、1冊目未読でした。
平将門の何かだったんだよねー。
読みたかったんだけど、買うしかないか。

「過去からの声」 マーゴット・ベネット



過去からの声 マーゴット・ベネット

親友の射殺死体を発見したのは自分の恋人だった!過去に関係を持った男たち、女友達、5人の男女関係が複雑に絡み合う。英国推理作家協会CWA賞最優秀長編賞受賞作品!

結構好きです。
サラが殺されて、容疑が4人。
一番最初の彼、ピーター。
その次の彼、ローレンス。
最初に結婚した男、マイク。
その次に付き合い別れた男、ドナルド。

ナンシー@主人公が先に男性と知り合うもサラを見て一目で
気に入り付き合いとか結婚とかなるパターン。
どんだけ美女なんだろう。

ちなみに、ナンシーは現在ドナルドと付き合ってたんだけど、
偶然にサラと会い、ナンシーとドナルドは口論となり別れ話をする。

で、その晩にドナルドはサラのところに行き、朝起きると殺されている
サラを発見する(笑)
どうなっているんだ。

で、ナンシーは別れたとはいえドナルドをかばうために、
殺害現場に行き証拠隠滅を図り、やってきた警察には嘘をつきまくり
挙句の果てに海外逃亡しようとする。

ピーター、ローレンス、マイクを巻き込みながら。

嘘に嘘を塗り固めるとこうなるのかーという典型的なパターンですが
無事に事件解決し、さぁ、ラスト!と思ったら意外な結末が待ってました。

えーーー!?
そうだったのか?
でも、そう言われるとそうなのかも。
分かりづらい人ではある。
でも、その人の行動を読み返すと、素直でないながらも
真摯ではあったのかな。

でも・・・わかりづらいなぁー。
今でいうとツンデレですが無理。
分かり面過ぎて無理!!!

「病弱探偵」 岡崎琢磨



病弱探偵 岡崎琢磨

高校1年生の貫地谷マイは年中体調不良で学校は欠席続き。ミステリー好きな彼女の唯一の慰めはベッドで謎を解くことである。一方、マイにひそかに想いを寄せている幼馴染みの同級生、山名井ゲンキはマイのために、学校で起こった不思議な事件を、今日もベッドサイドに送り届ける。6つの謎と2人の恋の行く末は?

【目次】(「BOOK」データベースより)
夏風邪と“消えた万引き”の謎/熱中症と“持ち去られた短冊”の謎/IBSと“着替えられた浴衣”の謎/偏頭痛と“妨害された応援合戦”の謎/インフルエンザと“借りさせられた図書”の謎/健康体と“作られた音痴”の謎


イマイチ・・・かなぁー。
病弱探偵」の「病弱」の部分が弱くて。
まぁ確かに弱いんだけど、連作短編ながら症状がその都度違ってて。
「片頭痛」とか「インフルエンザ」とか「熱中症」
まぁ確かにそれもまた病気ではあるけれど・・・
ちょっとそこのぼころが微妙感あふれてました。

謎も、わかりやすいのと分かりづらいのがあって、
例えば、運動会の人文字なんていうのは私からすると謎。
どういう感じなんだろう。
昔のPL学園のアレみたいなのかな。

など、考えていたら肝心の謎ってなんだっけ?
そう思うのもありました。
まぁ気軽に読める1冊でしたが、
もう少し難しくてもよかったです(←私の好みです)

「ムカシ×ムカシ」 森博嗣



ムカシ×ムカシ 森博嗣

東京近郊に広大な敷地をもつ百目鬼家は大正期の女流作家、百目一葉を世に出した旧家。その息子夫妻が屋敷内で刺殺され、遺品の製理と鑑定を請け負ったSYアート&リサーチの小川と真鍋、アルバイトの永田は新たな殺人に遭遇する。古い河童の絵と謎めいた文の意味するものは。Xシリーズ、待望の第四弾!

犯人と犯行に及んだ動機は分かりましたが、殺害方法は一切分からずw
犯人が行方をくらましてしまったからなんですが・・・

まぁ森さんあるあるなんだけれど・・・
常識的に考えて「こんなんでいいのかなぁー?」と思う。
ミステリーなんだから・・・
だったら「密室」とかしなければいいのに。

なので「そういうシリーズではない」と思って読む。
ではどういうシリーズか??
摩訶不思議です。
ノベルスで全部読んでいるので文庫では再読という形に
なりますが、椙田=Vシリーズの人 というのを知っているので
それを考えると楽しく読んでます。

それを知らないで読んでたノベルス時代は「なんでいつも椙田さん
いないんだろう?」と思ってたけれど、正体が分かった今となれば
いなくて当たり前なんです。

「九十歳。何がめでたい」 佐藤愛子



九十歳。何がめでたい 佐藤愛子

御年九十二歳、もはや満身創痍。ヘトヘトでしぼり出した怒りの書。全二十八編。

【目次】
こみ上げる憤怒の孤独/来るか?日本人総アホ時代/老いの夢/人生相談回答者失格/二つの誕生日/ソバプンの話/我ながら不気味な話/過ぎたるは及ばざるが如し/子供のキモチは/心配性の述懐〔ほか〕


エッセイです。
話題になっているなぁーと思い手に取りました。


紙面に載った「人生相談」の問いと回答にいちゃもんを付けているのが一番笑いました。
「そんな程度で相談するな」ってことです。
なるほど・・・確かにそういわれると甘ったれているなぁーと思います。
自分の周りにこういう相談とか愚痴とかね、言えない人多くなっているようです


他に、ドロボーに遭った話や、いたずら電話(無言電話)に対抗した話…発想がユニークだよなぁー。

気楽に読みました。
11月5日生まれなのに、戸籍に11月25日とあり、役人と喧嘩したりとか。
「戸籍に書いているんだから戸籍があっている」と役人の弁。
「11月5日に産んだ私が言っているんだから間違いない」と、佐藤さんの母の弁。

私は知っている・・・・
役人なんて適当なことを。
第一、私だって18年間戸籍が「男(長男)」だったし。
それを思い出すと日にちの間違いくらい普通にありそう。

「サハラの薔薇」 下村敦史



サハラの薔薇 下村敦史

エジプト発掘調査のハイライト、王家の墓に埋葬されていた石棺の中にあったのは、死後数ヵ月のミイラ状死体だった!そして、考古学者の峰は何者かの襲撃を受ける。危うく難を逃れたが講演先のパリへ向かう飛行機が砂漠に墜落し、徒歩でオアシスを目指すことになった。同行者は美貌のベリーダンサー・シャリファ、粗暴で残酷なアフマド。何かを思い詰めている技術者の永井、飛行機オタクのエリック、不気味な呪術師。誰もが謎を抱え、次々と危険なカードを切ってくるーやがて一行は分裂し、巻き込まれた戦闘の中で峰は、永井の過去と真実の使命を知る。果たして「サハラの薔薇」とは何なのか。それが未来にもたらすものは!?

スリリングな小説でした。
途中までは面白く読みましたが、ラストが今ひとつです。
ハラハラと読んでいただけに幕引きにいちゃもんつけてるだけかも(笑)

それか題材が難しかったからかもしれません。
もうね、脳が難しいことを覚えようとしないんですね。
なので、永井さんの職業やらどこへ向かおうとしているのか、
説明をし始めたところで「???」となりまして。

「はぁ・・・それはまた・・・結構なことで・・・」

シャリファの雇い主とかも分からなかったしなぁー。
峰・・・保身が強い峰さんですが、この人も癖が強い人です。

結果的に誰が誰を騙しているのか、騙していないのか。
そしてアフマドの生命力の強さ。
なんでこの人こうなのーー???と思いながら読みました。

結果的に一気読みでした。

「鬼」 今邑彩



 今邑彩

言葉にできない不安感。おさまりのつかない気持ち悪さ。誰をも奇妙な世界に誘い込む、今邑彩のベスト短編集。

【目次】(「BOOK」データベースより)
カラス、なぜ鳴く/たつまさんがころした/シクラメンの家//黒髪/悪夢/メイ先生の薔薇/セイレーン/


最初の3作はミステリー系で、残り5作がホラー。
ホラーなんだけど、どこかシュールな感じがするので読みやすい。

怖すぎるのが苦手なのでこういう感想になります。

例えば、「黒髪」
後妻に入った妻だけど、ある時ガンで亡くなった前妻の遺髪の束が蛇のように動き出す。
とか。最初は気持ち悪いなぁーと思っていたけれど、
今の妻に見つかったら「びくっ」として隠れた。とか。
そのうち黒かった遺髪に白いものが・・・遺髪も年をとるらしい。
って・・・(笑)

「メイ先生の薔薇」が一番気持ち悪かったかなぁー。
「セイレーン」はホラーというのとは違うし、
「悪夢」はねー。昭和のホラーという感じ。
最初の3つはミステリーなのですが、多少薄気味悪さはあります。
」はごっこですぐに見つかるのはイヤだけどなかなか見つけてもらわないと
不安になる。そういう気持ちがホラーと絡みます。

気持ち悪いのとかもあったけれど読みやすい短編集でした。



「あの日にかえりたい」 乾ルカ



あの日にかえりたい 乾ルカ

地震に遭った翌日、少年は、海の匂いのする、見たこともない町に立っていた。通りかかったオバサンの家で親の迎えを待つ間に体験したのは、少年がこれまでしてみたかったことばかりで…(「翔る少年」)。介護施設で出会った、嘘のような人生を語る車いすの老人との交流と意外な結末を描く表題作ほか、時空を超えた小さな奇跡と希望を描く六篇。第143回直木賞候補作。

【目次】
真夜中の動物園/翔る少年/あの日にかえりたい/へび玉/did not finish/夜、あるく


もうすんごく泣いたっ。
「翔る少年」
この話がもう私の涙腺を攻撃してしまって・・・

そのせいで、「翔る少年」以降の話があまり頭に入ってない(笑)

そのくらい泣きました。
「夜、あるく」とか割とほんわかしたのもありますし、
「真夜中の動物園」のように、将来を暗示する話もあります。

でもでも、「翔る少年」は衝撃的でした。
何回読んでも泣くし、読んでなくても思い出すだけで泣けます。
本を読んで泣くのは疲れるのであまり泣きたくないんだけど、
この話は心にくるというか、悲しいながらも嬉しい。
嬉しいけれど絶望もあり・・・
そんな気持ちになりました。

でも、元(少年の名前)にとっては美味しかっただろうし、楽しかったと思う。
「オバサン」にとっても夢のような時間だったのではないかと思うと・・・

・・・また涙がでます(T_T)