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2015.05.30 (Sat)

「滔々と紅」 志坂圭



滔々と紅 志坂圭

ここは吉原じゃ。世間からは苦界とか地獄とか呼ばれておる。お前にもそのうちわかる。ここから生きて出たければ強い心を持たんといかん。それができないものは死んでいく。馴染む者には極楽じゃ、嫌う者には地獄じゃ。まあ、これはどこも同じじゃがな…地獄か極楽かはお前さん次第じゃ。第1回本のサナギ賞大賞。(BOOKデータベースより)

久々に

ものすんごく面白い!(・∀・)

と、思った1冊。
「本のサナギ賞」というワケわからん賞受賞者なのでお若い方かと思ってましたら
1962年生まれ。
おぅ・・・ワタクシより年上ではないか。

吉原のお話です。
9歳で売られた駒乃が花魁まで成長する話。
駒乃の名前が変わるたびに成長していきます。
吉原の厳しいしきたりなどありまして、
売られた女子たちはそこで生きていくしかない。
辛い話なのだけど、なぜか楽しい。
たまに女子高じゃないか?的な雰囲気もあって面白かった。

でも、そこで足抜けして見つかって厳しい折檻を受けてなどなど。
地獄のシーンもあり。

水揚げした後は床のお仕事もすることになって、
後は男と女(とお店)の駆け引きになるのでしょうねー。

最初は先輩(?)の花魁の下についていた駒乃もいつか「なつめ」というお世話役(禿)を使うようになり、あまりによく出来た可愛いなつめに当時の自分の失敗を思い「あの時は悪いことをしたな」と思う。
一つ一つが丁寧で、吉原の言葉づかいもステキで、「ありんす」とか「しやした」とかそこは華やいだ世界なのかと勘違いしそうです。

ラスト近くになり「ほぉ。そっち方面にいくのか」と物語の展開に驚きを隠せませんでしたがとても面白い1冊でした。
満足だー。
サナギ賞あなどれん。
08:23  |  その他さ行の作家  |  トラックバック(0)  |  コメント(4)  |  EDIT  |  Top↑

2015.05.29 (Fri)

「明日の子供たち」 有川浩



明日の子供たち 有川浩

三田村慎平・やる気は人一倍の新任職員。和泉和恵・愛想はないが涙もろい3年目。猪俣吉行・理論派の熱血ベテラン。谷村奏子・聞き分けのよい“問題のない子供”16歳。平田久志・大人より大人びている17歳。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日が待っている!児童養護施設を舞台に繰り広げられるドラマティック長篇。(BOOKデータベースより)

途中まで面白かったんだけどな。

途中まで⇒猪俣とアッコの話まで。

それにしても、三田村みたいなのっているのかな。今時。
私の時代そういう児童養護施設ってなかったよなーと思ってたら
私の住んでるところが田舎すぎてなかっただけの話で、
県庁所在地には何か所かありました。

施設に行った方が幸せだというのは分かるかもしれない。
親と一緒にいることが幸せだなんていう考えは最近のニュースを見ていると
当たり前ではないと身に沁みます。
10年前にも私の生活エリアで痛ましい事件がありましたし。

それはいいんだけど、いつだっけ日テレの児童養護施設を題材にした
ドラマがありましたよね。一時期問題になって、全国ニュースにもなった。
ドラマ見てないから分からないんだけど、この本ではそのことも題材にしてます。

そして本の中に
「このような児童養護施設の実態をベストセラー作家に書いてもらおう」
なんて施設の子供が手紙を書くワケだ。

正直「またか」と思った。
「県庁おもてなし課」でもベストセラー作家で登場してましたよね。

ハヤブサタロウと書いて有川浩と読むのか?

最近の有川さんの本はこんなんなの?

たしかに有川さんとなると影響力は強い。
実際私も読んだし、読メの登録数も多い。

施設側からの依頼で書いたのかな。
あの日テレのドラマからこの本の発売までそう時間は経ってないし。
なんだろう。このモヤモヤ感は。
登場人物にしたって先生も子供たちも「いい子ちゃん」ばかり。
上手く作りすぎた感じがした本でした。
09:37  |  有川浩  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑

2015.05.28 (Thu)

「土漠の花」 月村了衛



土漠の花 月村了衛

ソマリアの国境付近で、墜落ヘリの捜索救助にあたっていた陸上自衛隊第一空挺団の精鋭たち。その野営地に、氏族間抗争で命を狙われている女性が駆け込んだとき、壮絶な撤退戦の幕があがった。圧倒的な数的不利。武器も、土地鑑もない。通信手段も皆無。自然の猛威も牙を剥く。最悪の状況のなか、仲間内での疑心暗鬼まで湧き起こる。なぜここまで激しく攻撃されるのか?なぜ救援が来ないのか?自衛官は人を殺せるのか?最注目の作家が、日本の眼前に迫りくる危機を活写しつつ謳いあげる壮大な人間讃歌。男たちの絆と献身を描く超弩級エンターテインメント!(BOOKデータベースより)

本屋大賞見直したー。

本屋大賞⇒書店員⇒女子の割合が高い

という私の勝手な推測。
だからいつも同じ作家ばかりノミネートされるので不平を言っていたのだ。

こういう本を読みたかった。
本屋大賞にノミネートされなければきっと私は読まなかった。


しかし、この本は怖かった。

後方支援だろうと人道支援だろうと、言葉や文化の違う紛争地に行って、
そこに銃を持った現地人が襲ってくるとあっという間に殺し合いになるのです。
四の五の言っている場合じゃなくて、こちらも撃たないといけないんだけど殺されちゃうのに。

しかし、読み手の私自身がこう思ってしまった。


「自衛隊が撃っていいのか」


そう思っちゃったんだよね(´・ω・`)
授業って・・・
ニュースって・・・
世論って怖いなと思った瞬間だった。

自分自身でこう思ってしまったことが怖い。
そして、登場人物の一人もそう思ってしまった。

「娘に人殺しだと思われたくない」

読み手の私が思うのと、現地のこの人が思うのとはワケが違います。
そんな甘っちょろい事言ってると死んじゃうよー。
と、焦りました。

そして、10人以上いた隊のメンバーは1人、また1人と倒れてしまう。

読みながら「南極物語」を思い出しました。
なんかね。イメージが南極物語(^^;)
誰もいない。
自分たちしかいない。というのは人でも犬でも似たところがありました。

この本は私自身の日本人的ぬるま湯に浸かった考えを改めさせてくれました。
そして、ちょうど今、アベさんがやたらと
「大丈夫だから」
「攻撃されたら退却するんだから」
「心配ないって」
なーんて言うが、それも全く信用できないことがわかります。
アベさんこそ是非この本を。
08:40  |  月村了衛  |  トラックバック(0)  |  コメント(4)  |  EDIT  |  Top↑

2015.05.27 (Wed)

「朽ちないサクラ」 柚月裕子



朽ちないサクラ 柚月裕子

米崎県警平井中央署生活安全課が被害届の受理を引き延ばし、慰安旅行に出かけた末に、ストーカー殺人を未然に防げなかったと、新聞にスクープされた。県警広報広聴課で働いて4年、森口泉は、嫌な予感が頭から離れない。親友の新聞記者、千佳が漏らしたのか?「お願い、信じて」そして、千佳は殺された。大藪春彦賞作家、異色の警察小説。(BOOKデータベースより)

サクラというのはケーサツの事ねー(・∀・)

いきなり親友が殺され、なんって掴みはオッケーなのだろう。
と喜んで読んでましたが、オウムもどきのカルト集団が登場したりしたあたりから
私の心の中では雲行きが怪しくなる(笑)
この先の展開が手に取るようにわかるようになり、
恐れていたラストで、まさかのその通りということで


ちょっと悲しかった( ̄▽ ̄;)



私でも予想できるようなオチにしたらダメじゃない。
それにしても黒幕さんの犯したミスが凡ミスすぎる(TдT)
それじゃバレるだろう。

しかし、雰囲気としてですがシリーズ化しそうな感じもするのでそれは楽しみ。
(多分この本の評価次第だと思う)
柚月さんの佐方シリーズは米崎という架空の県を題材にしてますが、
こちらも米崎なので、上手くいけばうまくいくかも。

やたらと美味しそうな居酒屋と東北(プラス新潟)のお酒が登場してましたので
今日の夜は日本酒にしよう(・∀・)
08:23  |  柚月裕子  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑

2015.05.26 (Tue)

「炎上する君」 西加奈子



炎上する君 西加奈子

恋に戦う君を、誰が笑うことができようか?何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さいけれど大きな変化、奔放な想像力がつむぎだす不穏で愛らしい物語たち。(BOOKデータベースより)

【目次】
太陽の上/空を待つ/甘い果実/炎上する君/トロフィーワイフ/私のお尻/舟の街/ある風船の落下


よく分からない世界観だった( ̄▽ ̄;)

まだ私は西さんを読んで3冊目なのだ。
「ふくわらい」の時も良く分からないなーとは思ったが、
これもまたよく分からん。

とりあえず読んでからまずしたことは「山崎ナオコーラ」さんについて調べた(笑)
1冊だけ読んだのですが、「あれ?山崎さんって男性だったっけ?」
元々とても仲がよろしい同志なので、本名(って本名じゃないけど)のままの登場になったようです。

世界観が謎すぎるんだけど、好きな作品は
最初の拾ったケータイの話と、ラストの風船の話。

あとは、手タレならぬ尻タレ。
どこかふと毒があって楽しいんだけど、大体みんなこんな感じなので少し飽きる(笑)

ただ、また書きますが西さん初心者なのでこれから少しずつ読んでいって
(悪いが一気に読みたいとは思わない作家さんである ← 今のところ)
西さんの世界観を知りたいなと思ってます。
そしていつかは「サラバ!」を読みたいのよん。
09:18  |  西加奈子  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑

2015.05.25 (Mon)

「アポロンの嘲笑」 中山七里



アポロンの嘲笑 中山七里

“管内に殺人事件発生”の報が飛び込んできたのは、東日本大震災から五日目のことだった。被害者は原発作業員の金城純一。被疑者の加瀬邦彦は口論の末、純一を刺したのだという。福島県石川警察署刑事課の仁科係長は邦彦の移送を担うが、余震が起きた混乱に乗じて逃げられてしまう。彼には、命を懸けても守り抜きたいものがあったー。(BOOKデータベースより)

小説としてはイマイチ。

多分小説は後付なのじゃないかなと思います。
そのくらい福島原発について細かく書いてました。
下請け、孫請け、などなどというのは今でもありますよー。
復興のための工事で孫とかひ孫は大変らしいです(安くて)。

あとは震災前の福島原発で働いている人たちの実態っていうのかな。
作業服の被ばく云々の質とか。
震災後にいろいろと聞こえてきますが、
震災前に関しては原発で働いている人の事はさほど注目されてなかったし。

「小説」ではあるけれど、おおよそこんなものだろうなと思いました。
はい。驚きませんでした。

上の人なんて自分がそこで働くワケじゃないですもの。
孫とかひ孫とか、考えたことないんじゃないかな。

ってことで小説ですが、小説はねぇ。
まぁこの結末しかないよなと。特になんってこともなかった。
登場人物の1人なんて不死身かと思うくらい何回も死にそうな目に遭ってましたし。

小説の中で、3.11の後、3時間後のテレビの映像を見て衝撃を受けたとありましたが、
どういうことーーー。
秋田県なんて次の日まで停電だったのに、なぜ福島あっさりテレビ見られる?
警察だから?
自家発電?
そんな細かいところに引っ掛かりをうけましたw
09:34  |  中山七里  |  トラックバック(0)  |  コメント(2)  |  EDIT  |  Top↑

2015.05.22 (Fri)

「消えない夏に僕らはいる」 水生大海



消えない夏に僕らはいる 水生大海

5年前、響の暮らす田舎町に、都会の小学生たちが校外学習で訪れた。同学年の5年生と言葉を交わすうち、彼らを廃校に案内する。きもだめしをすることになった響たちは、ある事件に遭遇し、一人の女子が大怪我を負ってしまう。責任を感じ、忌まわしい記憶を封印した響だが高校生活に希望を抱くなか、あの日の彼らと同じクラスで再会するー少年少女の鮮烈な季節を描く、青春冒険譚。(BOOKデータベースより)

なぜか一気読み。
めちゃめちゃ集中して読みました。
特にミステリーとか、特に青春冒険とかでもないんだけど、読んでて面白かったなー。
読み終わって何かが残るとかではなかったけどね。

田舎で差別や偏見が支配し、苗字を変えて生活するしかなかった響。
高校に入ると誰も自分を知る人がいないと思って入学したら
その教室には一番会いたくなかった5年前の事件の当事者たちがいた。

小学校5年生の時の事件はこれは大きいだろうなー。
それを高校1年になっても引きずるかというと、

引きずるよな。

でも、面白かった。
クラス委員の女子がうざいことこの上ありませんでしたが(笑)
こういう人いたらイヤだなーと。
でも、面倒な事は全部やってくれそうだけどいちいち煩いからイヤだ。やっぱり(笑)

07:06  |  水生大海  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑

2015.05.21 (Thu)

「BLACK OR WHITE」 浅田次郎



BLACK OR WHITE 浅田次郎

あのバブルの夜、君はどんな夢を見ていた?経済の最前線で夢現の境を見失ったエリート商社マンの告解がいま始まる。近代日本の実像に迫る渾身の現代小説!(BOOKデータベースより)

「君はどんな夢を見ていた?」って・・・

本当に夢の話だった。
白い枕で眠るといい夢を。
黒い枕で眠ると悪夢を。

そんなブラックオアホワイトだそうで・・・
誰だって白い枕で寝るじゃないと思うのですけどね。

友人の葬儀で偶然に旧友と会い、自分が昔見た不思議な夢の話を聞かされるという本ですが、私からするとその夢の話が面白くない。

この夢がヒントになって現実世界でも・・・
となるのだったらまだいいのだけど、
実際のところは・・・・だし。

まぁこれは読んでからのお楽しみでしょうけれど
読んでて疲れました(笑)
延々と夢の話。
しかもたいして面白くもない。
その聞かされている「私」は下戸らしく
素面で聞いている(お気の毒に)

当時はケータイもパソコンもない時代なので現地にいる当事者(営業とか?)が決断をするとパターンが多く、逆に失敗すると責任も本人がとることになる。
今とは仕組みが違うのですが、それによってあった人事の浮き沈み。

ラストも少し「は?」という終わり方だったのが残念でした。
最初の「スイス」あたりは面白く読んでましたが、ラストの「京都」あたりになるとぐったりしてました(笑)
08:45  |  浅田次郎  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑

2015.05.20 (Wed)

「0能者ミナト <2>」 葉山透



0能者ミナト 葉山透

江戸時代ー寛延年間に村人すべてを殺戮したという怪異「鏖」。長く封じられていたはずのそれが、眠りから覚めた。総本山、御蔭神道の名だたる手練が犠牲となり、関係者を震撼させていた。へそ曲がりで有名な九条湊の仕事を選ぶ基準は、「面白いかどうか」だという。人を跡形もなく吹き飛ばす、前代未聞の怪異ーだが湊の腰は重い。皮肉げに「解決してみせるが、期待はするな」と不可解な言葉を放つ湊。実はこの事件には恐るべき秘密が潜んでいた。(BOOKデータベースより)

とりあえず第二弾でこの人たちに慣れてきました(笑)
まぁ・・・・はい。

でもやっぱり理彩子がいいんですよねー。
巫女なんだけど、煩悩丸出しというか。
現代的。
いい言い方をすればドライかな。

謎の解明に関してはやっぱり首をかしげてしまう箇所もあるよなー。
無理にこじつけている気がどうしてもする。
キャラクターが今のところは先行しているから仕方ないかな。

この先の呪いの大きさに期待。
09:12  |  葉山透  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑

2015.05.19 (Tue)

「奴隷小説」 桐野夏生



奴隷小説 桐野夏生

世界は野蛮で残酷な牢獄に満ちているー。その「虜囚たち」の姿を容赦なく描いた、超異色短編集。(BOOKデータベースより)

【目次】
雀/泥/神様男/REAL/ただセックスがしたいだけ/告白/山羊の目は空を青く映すかーDo Goats See the Sky as Blue?


タイトルはなかなか衝撃的なのですが、中身はそうでもない。
というよりは、

桐野さんにしてはそうでもない。

という「桐野さんにしては」がつく。
もう少しえげつない感じになるかなと思ったのですがそうでもなかったな。

「雀」と「泥」が好きです。
「雀」は桜庭一樹さんが書きそうな世界観。
「泥」もなんというか、芯の強い女性の話はいいですね。

「ただセックスがしたいだけ」というのは男性サイドの話ですが、
そこら辺は女性はハッキリしているので男性側としてもいろいろと苦労するだろう。

テーマは奴隷なのですが、「奴隷」と言ってもいろいろ使える言葉です。
言葉通りの「奴隷」の話も多かったのですけどね。
「神様男」はまたちょっと違った感じであります。

薄い本なのですぐに読めますが、
読書メーターで「誰にお勧めしたらいいのかわからない」とありましたが、
確かに人にお勧めしたい本ではないかも(笑)
08:37  |  桐野夏生  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
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