2017.02.15 (Wed)
「沈黙法廷」 佐々木譲

沈黙法廷 佐々木譲
東京・赤羽。絞殺死体で発見されたひとり暮らしの初老男性。親譲りの不動産を所有する被害者の周辺には、多くの捜査対象が存在する。地道な鑑取り捜査の過程で、家事代行業の女性が浮上した。しかし彼女の自宅に赴いた赤羽署の捜査員の前に、埼玉県警の警察車両が。彼女の仕事先では、他にも複数の不審死が発生していた―。舞台は敏腕弁護士と検察が鎬を削る裁判員裁判の場へ!無罪を主張する被告は証言台で突然、口を閉ざした。有罪に代えても守るべき何が、彼女にあるのか?丹念な捜査、緊迫の公判。新機軸の長編ミステリー。
やっと読み終わりました~(〃ω〃)
この↑「無罪を主張する被告は証言台で突然、口を閉ざした」と書いてあるシーンは後半。
こんなに後半部分をBOOKデータベースに書いてもいいものなのか?
と、思いましたけれど物語の重要シーンである裁判のシーンはとてもよかった。
わたし裁判モノ好きなので久々に満足したなー。
でも、裁判シーンじゃない箇所に関してはあれあれ?と思ったりね。
ラストのラストが「え??そっちに持っていくの??」と首をかしげたりね。
そんな、なんというか読者の希望通りにはならないのが世の中なのかもしれません。
相変わらず、「〇〇はこうした。」「▽▽だった。」というぶつ切り口調で、
しかも女性の名前はいつもフルネームで描写。
このクセ独特で読んでる最中から気になってくる。
でも、ここまで厚いと途中から「山本美紀」の連打でおかしくなってきましたが(笑)
裁判を傍聴したことのない弘志視点での描写がよかったです。
実際のところ傍聴できる確率ってどのくらいあるんでしょうね。
いつか私も何かの裁判を傍聴してみたいなと思ってしまった。
ただ、山本美紀にそれほど魅力があるとは思わないんだけどな。
まぁ・・・そこは美紀と出会った状況が状況だからなのかなーーー。
2015.11.10 (Tue)
「砂の街路図」 佐々木譲

砂の街路図 佐々木譲
なぜ父は幼い息子と母を捨てて失踪し、この街で溺死したのか。母の四十九日を終えた岩崎俊也は、父の死の真相を知るために、北海道の運河町へと旅立った。(BOOKデータベースより)
面白かったです。
佐々木さんお得意の(?)舞台は北海道ということで。
一応架空の街なんだよね。
読みながらイメージは小樽。
運河もあるし。
小樽を思い出しました。
ガラス工芸品も有名だしね。
自分が12歳の時にいきなりいなくなり、数日後北海道で死亡が確認された父。
母も亡くなった今、その時に何があったのかと単身北海道へ行き、
そこでいろいろと見聞きするワケですが、なんか結構すいすいと物語が進むのよねー。
普通そんなに簡単に物事進む?と思うんだけど、読み手としては物語が進んだほうが
面白いのでそこは黙認(笑)
どこか旅行小説の風合いも出しながらしっかりミステリー。
ただ、北海道のあの雰囲気と事件が合わないんだよねー。
そういう意味では北海道にあんな事件は似合わない。
いつまでも憧れの場所でいておくれ( ̄ω ̄*)
2013.10.13 (Sun)
「廃墟に乞う」 佐々木譲

廃墟に乞う 佐々木譲
十三年前に札幌で起きた殺人事件と、同じ手口で風俗嬢が殺害された。道警の敏腕刑事だった仙道が、犯人から連絡を受けて、故郷である旧炭鉱町へ向かう表題作をはじめ北海道の各地を舞台に、任務がもとで心身を耗弱し休職した刑事が、事件に新たな光と闇を見出す連作短編警察小説。第百四十二回直木賞受賞作。(BOOKデータベースより)
【目次】
オージー好みの村/廃墟に乞う/兄の想い/消えた娘/博労沢の殺人/復帰する朝
直木賞~(〃∇〃)
休職中の刑事。
何かをやらかして精神的にまずくなって休職云々・・・
と、あったので最初は何かのシリーズものなのかと思ってしまいましたが、
これ1冊の単品でした。
仙道さんが何をどうしてこうなったのかは最後の「復帰する朝」に書かれてます。
なるほどー。
ある意味「有名」な仙道さんなので、休職してないほかの刑事さんたちが
少し遠巻きに、あるいは興味本位で接するのもまた1つの読みどころかと。
1つ1つが短編なんだけど、連作になっていくので、仙道さんの精神状態が
だんだんと上向いていくのか逆行していくのかが面白い。
実際にあった事件をモデルにしたのもあったりしましたが、
家族に対する素直な気持ち、逆に屈折した気持ちなどが
読んでて面白かったですね。
2010.11.22 (Mon)
「巡査の休日」 佐々木譲

巡査の休日 佐々木譲
小島百合巡査は、村瀬香里のアパートに侵入した強姦殺人犯の男を逮捕するが、男は脱走し行方不明に。1年後、香里に脅迫メールが届く。必死の捜索にもかかわらず、小島たちを嘲笑うかのように不気味なメールが何度も届き…。 (内容説明)
巡査の休日って「小島百合」の休日だったのねん。
シリーズ4作目。
今回も「小島百合は○○した」のオンパレード(;´Д`)
分かってます。
小島百合って分かってますって~!!!
と、思ったのですがどうやらこの作者さんは女性をフルネームで書くという習性があるらしい。
村瀬香里もフルネームでオンパレード
うるさーーーい!!
と、一人でブツブツなワタクシでありました(笑)
今回の脅迫メールの犯人については「この人が怪しい・・・( ̄ω ̄*)」と、思った人が見事に犯人でしたが、動機やら繋がる時期やらが全く予想外で「あーーここに繋がるのか~!」と納得。
面白かったです(´∀`)
佐伯さんの行動パターンはやや理解できないものの、そんな佐伯を理解しようとする新宮や、確実に実績を上げている津久井などの活躍がますます楽しみです(^^)
ようやく北海道大通署シリーズを読み終えた(んですよね?あたし)ので今度は違う作品も読んでみようと思います(^^)
一番気になるのはやっぱり「警官の血」なんだけど、上下巻なんだよね~。
面白ければいいけれど、面白くなかったらどうしよう!?
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2010.05.14 (Fri)
「警官の紋章」 佐々木譲

警官の紋章 佐々木譲
北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。そのさなか、勤務中の警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井卓は、その警官の追跡を命じられた。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を抱き、一人捜査を続ける佐伯宏一。そして結団式に出席する大臣の担当SPとなった小島百合。それぞれがお互いの任務のために、式典会場に向かうのだが…。(BOOKデータベースより)
最初に思った感想。
「え?これで終わり?(・ω・)」
あたし気がかりなの沢山残っているんですけど・・・?
「巡査の休日」を読めということか?
あまりそこまで引っ張るネタでもないような・・・・。
機動隊の人の服とか。
村瀬香織と日比野Jrの関係とか。
レビューを見るといいんだよね~。
確かに面白いです。
佐伯、小島、津久井の3人が別々に仕事をしながらも最終的には同じ場所に集まる。
それぞれが追っていた事件が最後には1つの糸(というか人)でつながる。
あたしは個人的には津久井が好きなので彼が活躍する分には応援します。
冷静で感情的にならず、目の前の任務を淡々とこなす姿勢が好きです。
最初の「うたう(笑う)警官」の時はそれほど活躍の場がなかったけど2作、3作とだんだん活躍してくれたので読み応えがあります。
佐々木さんの独特な書き方にも少しずつ慣れてきました・・・が!!
相変わらず小島百合のことはフルネームで「小島百合」なんだよね(^^;)
「小島百合は立った」
「小島百合は迷った」
「小島百合は思った」
「小島百合は撃った」
云々・・・
もう3作までいったんだから「百合は・・・」でよさそうな気がしないでもない。
「小島百合」という文字の羅列を見るとやや疲れます(^-^;)
とりあえず「巡査の休日」に進まなきゃこのモヤモヤ感はぬぐえないかもっ。
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2010.04.05 (Mon)
「警察庁から来た男」 佐々木譲

警察庁から来た男 佐々木譲
北海道警察本部に警察庁から特別監察が入った。監察官は警察庁のキャリアである藤川警視正。藤川は、半年前、道警の裏金問題の為に百条委員会でうたった(証言した)津久井刑事に監察の協力を要請した。一方、札幌大通署の佐伯刑事は、ホテルでの部屋荒らしの捜査を進めていた。被害者は、すすき野の風俗営業店で死んだ男の父親だった。大通署に再捜査の依頼の為、そのホテルに泊まっていたのだという。佐伯は、部下の新宮と事故現場に向かうのだが…。『笑う警官』に続く道警シリーズ第二弾。(BOOKデータベースより)
うたう(笑う)警官に続く第2弾。
今回は佐伯・新堂組と津久井・小島組に分かれてはいたものの狙う獲物は一つ!
まぁタイトルが「警察庁から来た男」と言うことで警察庁から来たキャリアの藤川。
30代で誰もが「キャリア官僚だ」と思いそうな顔立ちだそうで・・・
きっと凄く鼻持ちならないんだろう(笑)
でも、この藤川さんが案外がんばるのです(^^)
そこは認めよう。
前回よりも津久井が頑張っていたので面白く、更に前作よりも人物の説明云々がいらない分楽しく読めました。
読む際にはある程度姿かたちを想像・・・いや、妄想して読む。
佐伯・津久井コンビは元々刑事に見えないからホストクラブの従業員というおとり捜査をやることになったし、新堂も長身の青年とのこと。
結構みんな優男に近いのかもしれない(´∀`)
で、2作目までいくと顔の形はともかくとして、性格や言動・行動っていうのはある程度は固定されていく。
それなのに・・・
それなのに・・・
本作ラストの最終行。
佐伯の心のセリフ
「監察官、グッジョブ!」
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・!?
グ・・・グッジョブ!?
佐伯が!?
佐伯さんがぁ~!?(゜Д゜;≡; ゜Д゜)
ない!!
それは絶対にない!!
最後の最後でこんな撃沈すると思わなかった(^-^;)
っていうかそのセリフやめてー!!
そういえば映画化になったのかと思い出し、先ほど映画のHPを見てキャストをチェックした・・・
・・・イメージと違う・・・(--;)
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2009.12.15 (Tue)
「うたう警官(笑う警官)」 佐々木譲


札幌市内のアパートで、女性の変死体が発見された。大通署の刑事たちはただちに現場に向かい、調査が始まった。遺体の女性は北海道警察本部生活安全部の水村朝美巡査と判明。容疑者となった交際相手は、同じ本部に所属する津久井巡査部長だった。やがて津久井に対する射殺命令がでてしまう。調査から外された所轄署の佐伯警部補は、かつて、おとり捜査で組んだことのある津久井の潔白を証明するために有志たちとともに、裏の調査を始めたのだったが……(BOOKデータベースより)
うたう=証言する。密告する。
と、言う意味らしい。
元々「うたう警官」という本が文庫化するにあたり「笑う警官」となったのはなぜ??
全部読んだけれど、納得する答えは出なかったな~。
笑うってなんだろう!?
「笑う」という意味がどこかに出てくるのかな。と思ったけれどそういうわけでもなかったみたい。
・・・多分(^-^;)
内容としてはとても面白い警察小説でした。
裏で動いているはずなのに、何故か洩れる情報。
誰が裏切り者かわからない。
味方であるはずの同僚の裏をかく佐伯。
最後に「この人が裏切りモノだったのか~!」と思いましたね~。
実は違う人が怪しい( ̄ー ̄*)と思っていたので・・・。
タイムリミットが翌朝(正確には9時?10時?)くらいだったので
スピード感もあって読みやすかったです。
誰を信用していいか分からない中での心理作戦。
こういう警察小説は面白いですね(^^)