igaigaの徒然読書ブログ

読んだ本の感想を気ままに書く読書ブログ。時々映画鑑賞。

「悪徳の輪舞曲」 中山七里



悪徳の輪舞曲 中山七里

14歳で殺人を犯した悪辣弁護士・御子柴礼司を妹・梓が30年ぶりに訪れ、母・郁美の弁護を依頼する。郁美は、再婚した夫を自殺に見せかけて殺害した容疑で逮捕されたという。接見した御子柴に対し、郁美は容疑を否認。名を変え、過去を捨てた御子柴は、肉親とどう向き合うのか、そして母も殺人者なのか?

プロローグが強く残っていたので、やっぱりなぁーとは思いました。
それにしても、やっぱり裁判モノは好きだわ。
面白いもんね。
ようするに、最後に勝てばいいんだから、どこに仕掛けるかっていうのが上手いほうが勝つ。

そういう意味では読み応えありました。
個人的にはあまり御子柴にはモロくなって欲しくないんですけどね。

「冷血人間ですが?」

って感じでこれからも行ってほしかったんだけどなぁー。
感情とかね。
この人には要りません。
欲しいのは裁判に勝つ力なんだー。

と、力説したくなりました。

郁美、梓親子だけではなく、ネットが普及されている今、犯罪者の家族ってどこに行ってもバレるんだろうね。
多少気の毒になります。
元々ある「村意識」っていうのは、実は田舎に行けば行くほどあるから、大変だったかも。

ただねー、成沢(夫)の死の真相というか、死の意味を知ったときはさすがに驚いた。

「そこにいるのに」 似鳥鶏



そこにいるのに 似鳥鶏

本格ミステリ界の旗手が挑む初のホラー短編集!怖すぎて面白すぎる、13の怪異の物語!

【目次】
六年前の日記/写真/おまえを見ている/陸橋のあたりから/二股の道にいる/痛い/なぜかそれはいけない/帰り道の子供/随伴者/昨日の雪/なかったはずの位置に/ルール(Googleストリートビューについて)/視えないのにそこにいる


割と好き。
怖さレベルでいくと、★★☆☆☆ くらいなんだけど、
短い話で攻めるのは上手いと思いました。

ホラーもねぇー、なんだかんだ言いながらよく読んでいるので怖いのに慣れてきたっていうか。
でも、ピシっとオチを作ってくるのは読みやすいと思う。

個人的に好きなのは、多少ベタではあるけど、「六年前の日記」です。
あと、タイトルどれか忘れたけど、自分をエゴサーチする話。
なんかこればかりは現代的で、今まで読んだどのホラーにもなくて(エゴサーチなんて最近のワードだしね)、不気味でした。
ホラーとはいえないほっこりする話もあり、それはそれでよかった。

ホラーだから割とざっくりザクザク殺されるんだよね。
「わーーー。あっさり来るな」
と、思いましたがそれでも結構面白く読みました。

「からくりがたり」 西澤保彦



からくりがたり 西澤保彦

高校三年の冬、自殺した青年が遺した日記には女教師との愛欲、妹の同級生との交歓、喫茶店店員との恋愛遊戯が綴られていた。半信半疑の妹がその登場人物に会いにいくと、彼女らは殺人、事故など次々、酸鼻な事件に遭遇していた。市内で毎年大晦日の夜に起こる女性殺害事件と関連は? そして、つねに現場に出現し語りかける謎の男〈計測機〉とは誰か。

「なんか、救いようのない話が読みたいなぁー」

と、思いまして手に取りました。
期待を裏切らない救いようのなさ!!!(笑)

人には勧めませんが自分が満足したのでヨシとします。
救いようもなければ、意味もよーわからん。って感じなんだけど
なんっか・・・自分的にそういう変な本が読みたかった気持ちなんですよねー。

そういう時は西澤さんに限る。うむ。

エロエロと帯にありましたが、そう酷いワケでもなく、
まぁ男性より女性の方が奔放だったかなーってくらいと、
時代いつだ!?と。
なんか・・・バブルか?と思うくらいの奔放さでありました。

ちなみに物語の意味はよくわかりません(笑)
「計測機」たる男の存在も謎だし、死んだ兄の存在も、ついでに言えば兄の日記も謎。
あっさり殺される女性たちも謎。

でも満足な私。
少し病んでるかも(´-ω-`)

「模倣の殺意」 中町信



模倣の殺意 中町信

七月七日の午後七時、新進作家、坂井正夫が青酸カリによる服毒死を遂げた。遺書はなかったが、世を儚んでの自殺として処理された。坂井に編集雑務を頼んでいた医学書系の出版社に勤める中田秋子は、彼の部屋で偶然行きあわせた遠賀野律子の存在が気になり、独自に調査を始める。一方、ルポライターの津久見伸助は、同人誌仲間だった坂井の死を記事にするよう雑誌社から依頼され、調べを進める内に、坂井がようやくの思いで発表にこぎつけた受賞後第一作が、さる有名作家の短編の盗作である疑惑が持ち上がり、坂井と確執のあった編集者、柳沢邦夫を追及していく。著者が絶対の自信を持って読者に仕掛ける超絶のトリック。記念すべきデビュー長編の改稿決定版。

これってアリ!?

なんでこんなに人気あるのかなぁーと思ったら、
どうやら元・スマップの中居くんが絡んでいた。

友人曰く、中居くんはかなりの読書家とのことですが、
ほとんどテレビを見ない私は全く分からず。
しかし・・・友人から聞くところかなりのクセのある人好きみたーい。

ってことで、帯と中居くんに引っかかりました(。-_-。)

もう一度いいます。

これってアリなの!?

だって・・・坂井・・・坂井正夫だよっ!!

普通なくね?

結果的に私が付箋貼った箇所は全く関係なくて(笑)
関係ないからこそ、逆に気になる。
律子の「隆広がかどわかした」云々のセリフとか
おかしくないかい???
飛行機時刻の16時を午後6時と書いたあたり、「ミスリード!?」と思ってたら・・・ほぼ無関係だったしー(´-ω-`)

本当になんだったんだ・・・
ラストはなんかさらっといい具合だったけどね。
※私の「いい具合」は違う意味ですヨ

「東京すみっこごはん 楓の味噌汁」 成田名璃子



東京すみっこごはん 成田名璃子

天井の雨漏りをきっかけに、すみっこごはんの二階に足を踏み入れた常連のみんな。そこで見つけたノートの中身とは!?訪れる新顔は、SNS映えを気にする読者モデル、普通の生活すら困難な中学生、修行中の料理人、そして誰もが思いがけなかった人。新たな出会いは楓を深く悩ませて…。年齢も職業も異なる人々が集う“共同台所”が舞台の大人気シリーズ第四弾!

【目次】(「BOOK」データベースより)
安らぎのクリームコロッケ/SUKIYAKI/楓の味噌汁


人気シリーズになってしまったせいか、今までにない「雑さ」を感じました。
出版社の方から「次も」「次も」とせかされたか?
って言いたくなるくらいの雑さ。
もう少し丁寧に書くのがこのシリーズの醍醐味なのに。
なんで?

今回のキーとなる新人、瑠衣と瑛太のラストがまさかの丸投げ。
瑠衣はラスト登場したけれど、どういう葛藤があって登場したのか。
次で分かるのか?
まさかの持越し??

3話目になると楓の父親登場。
しかも、優佳(楓の母親)が死んだことすら知らず、17~18年ぶりにふらりと登場。
「は?!」
死んだと知り、「線香をあげたい」と言う。
「は?!」
もうね、敷居跨がせないレベルの話なのに・・・どういうことー。

優佳と別れたキッカケとか聞くと、
「おぉーー。クズだ。クズの代表だ」
と、言うくらいなのに、すみっこごはんのメンバーはそんなクズにも優しい。
まぁ女性陣の田上&奈央は多少厳しいことも言ってましたが、
楓の父親っていうよりはクズだよ。

脛に傷持つ人たちが集う「すみっこごはん」とは言え・・・
とてもとても釈然としない気持ちでした。

「出版禁止」 長江俊和



出版禁止 長江俊和

著者・長江俊和が手にしたのは、いわくつきの原稿だった。題名は「カミュの刺客」、執筆者はライターの若橋呉成。内容は、有名なドキュメンタリー作家と心中し、生き残った新藤七緒への独占インタビューだった。死の匂いが立ちこめる山荘、心中のすべてを記録したビデオ。不倫の果ての悲劇なのか。なぜ女だけが生還したのか。息を呑む展開、恐るべきどんでん返し。異形の傑作ミステリー。


帯には「裏切られた!!」とか書いてますが、裏切られたというよりは・・・

「あぁ・・・やっちまったか」

という印象です。
久々に感じるこの感触・・・(TωT。)

しかし、この感触は決して嫌いではないんだよね(笑)
好き嫌いはあるかもしれないし、思い出すかもしれない。

私は思い出さない!!

読んだら「あぁーーー」という感想を持つだけですが・・・
良かったですよ。
ラストの気持ち悪さと狂い具合ががいい感じです。

熊切さんが伊丹十三さんに脳内置き換えられてます。
イメージあうんだよねー。
まぁ年齢とか死に方とか違うんだけど、
なんか・・雰囲気あるかも。

しかし・・・常識的に考えるとこの本は普通出版しないでしょうね。

「能面検事」 中山七里



能面検事 中山七里

巷を騒がす西成ストーカー殺人事件を担当している、大阪地検一級検事の不破俊太郎と新米検察事務官の惣領美晴。どんな圧力にも流されず、一ミリも表情筋を動かすことのない不破は、陰で能面と呼ばれている。自らの流儀に則って調べを進めるなかで、容疑者のアリバイは証明され、さらには捜査資料の一部が紛失していることが発覚。やがて事態は大阪府警全体を揺るがす一大スキャンダルへと発展しー警察内から裏切りと揶揄される不破の運命は、そしてストーカー事件の思いもよらぬ真相とはー大阪地検一級検事・不破俊太郎。孤立上等、抜き身の刀、完全無欠の司法マシンが、大阪府警の暗部を暴く!

表情を読まれることによって不利になるからってことで、能面になった検事の話(なんだそれ)
でも、そういう事なんですよね。

自分の下に付いた事務官にもそれを求める。
しかし、事務官は若い女子なもので表情が出てしまうんですよねー。

もちろん、人間なので生まれてからずっと能面になったわけでもなく、
たまに人としての表情も出るわけ・・ですが。

そういうシーン要らないよねー。
最初から最後まで能面で突き進んでほしかったです。
評判が良かったらシリーズ化しそうな雰囲気プンプンです。

タイトルだけ見ると「竜崎さんみたいな性格の人かな?それっぽい話だったらイヤだなぁー」と思っていたのですが、そういう心配はなかったです。
それだけ竜崎さんが突き抜けているっていうか(笑)

「道具箱はささやく」 長岡弘樹



道具箱はささやく 長岡弘樹

資産家の娘・早百合に意中の相手がいるのか。調査を依頼された探偵の木暮と菜々は、最後の候補者と早百合がスクランブル交差点ですれ違うよう仕向ける。だが、その寸前に、なぜか木暮は早百合に電話を入れた…(「意中の交差点」)。借金苦から、休暇を利用して質屋に押し入った刑事の角垣。逃走中に電柱に衝突するも目撃者はなく、無事逃げおおせた。だが、なぜか上司の南谷は、角垣が犯人だと見抜くのだった…(「ある冬のジョーク」)。とっておきのアイデアを注ぎ込み、ストイックに紡がれた贅沢な作品集。

【目次】
声探偵/リバーシブルな秋休み/苦い厨房/風水の紅/ヴィリプラカの微笑/仮面の視線/戦争ごっこ/曇った観覧車/不義の旋律/意中の交差点/色褪せたムンテラ/虚飾の闇/レコーディング・ダイエット/父の川/ある冬のジョーク/嫉妬のストラテジー/狩人の日曜日


相変わらず短編書くのがうまいなぁーと思います。

でも、読んだ尻から忘れるのはなぜ?(^^;)

記憶にあるのと、タイトル見ても全く覚えてないのと(笑)
「観覧車」の話と、「ムンテラ」の話は印象に残りました。
観覧車は「なんでー??」と。
なんで落ちたんだろう。

ムンテラは結果オーライとはいえ、一歩間違うとおっかなーい。
おっかないというか、「マヌケ」「ダメ刑事」「ダメ父」などの
烙印が押されていたに違いない( ̄ω ̄*)

私は薄気味悪くなる終わり方が好きなので、「ある冬のジョーク」なんかも
好きかも。ちょっと想像しちゃった。

「護られなかった者たちへ」 中山七里



護られなかった者たちへ 中山七里

仙台市の福祉保健事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か?なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?罪と罰、正義が交錯した先に導き出されるのは、切なすぎる真実ー。

キツいーーーーー。

キツイ本でした。
やっぱり生活保護っていう制度を今のままでやってたらこういう事件っていうのはこの先もあるんだろうなと思います。
小説ではありますが、実際に起きてますし。
この21世紀に餓死とか。

犯人はきっと「あの人」であろうとは思ってましたが、
「あの人」が名前もあって登場してた人とは気づかなかった。
さすがにそこは中山さんというか、たとえ犯人には気づいたとしても、その先まで仕掛けておくんだなー。

変に感心してしまいましたが。
とても重い本でした。
でも、一気に読まずにはいられなかった。

「ネメシスの使者」 中山七里



ネメシスの使者 中山七里

ギリシア神話に登場する、義憤の女神「ネメシス」。重大事件を起こした懲役囚の家族が相次いで殺され、犯行現場には「ネメシス」の血文字が残されていた。その正体は、被害者遺族の代弁者か、享楽殺人者か、あるいは…。『テミスの剣』や『贖罪の奏鳴曲』などの渡瀬警部が、犯人を追う。

凶悪犯罪を起こした犯人の家族が襲われる。
死刑でもいいんじゃないか??っていうくらいの罪を起こした人が、温情判事によって死刑を免れる。

まぁいろいろ考えます。

今回、古手川くんは脇にまわりました。
あまり活躍もなく、美味しいところは渡瀬が全部かっさらう。
ついでに、ホッケもかっさらう(←いいなー)

死刑制度っていうか、犯罪を起こした人への懲罰に対する見方は人それぞれです。
割と渋沢判事の考えって理解できるんだよね。
殺したらそれで終わる。
でも、ずっと無期懲役だと、その犯人のために仕事しなくてはいけない人のことを思うとまた気の毒でありますが。
看守とか、刑務所で働いている人とか。

犯人は分かりましたが、残りページを考えて「まだ何か残されている」と思うのは悲しいファンの性(笑)
その通り「何か」が待ってましたが、そこに行くまでに費やした時間と努力を思うと、あまりにもラストが短絡的ではないかと思ったのです。
頭もいいんだしさー。もう少し何か考えた方がよかったのでは??
と、意地悪く考えてしまいました。