igaigaの徒然読書ブログ

読んだ本の感想を気ままに書く読書ブログ。時々映画鑑賞。

「道具箱はささやく」 長岡弘樹



道具箱はささやく 長岡弘樹

資産家の娘・早百合に意中の相手がいるのか。調査を依頼された探偵の木暮と菜々は、最後の候補者と早百合がスクランブル交差点ですれ違うよう仕向ける。だが、その寸前に、なぜか木暮は早百合に電話を入れた…(「意中の交差点」)。借金苦から、休暇を利用して質屋に押し入った刑事の角垣。逃走中に電柱に衝突するも目撃者はなく、無事逃げおおせた。だが、なぜか上司の南谷は、角垣が犯人だと見抜くのだった…(「ある冬のジョーク」)。とっておきのアイデアを注ぎ込み、ストイックに紡がれた贅沢な作品集。

【目次】
声探偵/リバーシブルな秋休み/苦い厨房/風水の紅/ヴィリプラカの微笑/仮面の視線/戦争ごっこ/曇った観覧車/不義の旋律/意中の交差点/色褪せたムンテラ/虚飾の闇/レコーディング・ダイエット/父の川/ある冬のジョーク/嫉妬のストラテジー/狩人の日曜日


相変わらず短編書くのがうまいなぁーと思います。

でも、読んだ尻から忘れるのはなぜ?(^^;)

記憶にあるのと、タイトル見ても全く覚えてないのと(笑)
「観覧車」の話と、「ムンテラ」の話は印象に残りました。
観覧車は「なんでー??」と。
なんで落ちたんだろう。

ムンテラは結果オーライとはいえ、一歩間違うとおっかなーい。
おっかないというか、「マヌケ」「ダメ刑事」「ダメ父」などの
烙印が押されていたに違いない( ̄ω ̄*)

私は薄気味悪くなる終わり方が好きなので、「ある冬のジョーク」なんかも
好きかも。ちょっと想像しちゃった。

「護られなかった者たちへ」 中山七里



護られなかった者たちへ 中山七里

仙台市の福祉保健事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か?なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?罪と罰、正義が交錯した先に導き出されるのは、切なすぎる真実ー。

キツいーーーーー。

キツイ本でした。
やっぱり生活保護っていう制度を今のままでやってたらこういう事件っていうのはこの先もあるんだろうなと思います。
小説ではありますが、実際に起きてますし。
この21世紀に餓死とか。

犯人はきっと「あの人」であろうとは思ってましたが、
「あの人」が名前もあって登場してた人とは気づかなかった。
さすがにそこは中山さんというか、たとえ犯人には気づいたとしても、その先まで仕掛けておくんだなー。

変に感心してしまいましたが。
とても重い本でした。
でも、一気に読まずにはいられなかった。

「ネメシスの使者」 中山七里



ネメシスの使者 中山七里

ギリシア神話に登場する、義憤の女神「ネメシス」。重大事件を起こした懲役囚の家族が相次いで殺され、犯行現場には「ネメシス」の血文字が残されていた。その正体は、被害者遺族の代弁者か、享楽殺人者か、あるいは…。『テミスの剣』や『贖罪の奏鳴曲』などの渡瀬警部が、犯人を追う。

凶悪犯罪を起こした犯人の家族が襲われる。
死刑でもいいんじゃないか??っていうくらいの罪を起こした人が、温情判事によって死刑を免れる。

まぁいろいろ考えます。

今回、古手川くんは脇にまわりました。
あまり活躍もなく、美味しいところは渡瀬が全部かっさらう。
ついでに、ホッケもかっさらう(←いいなー)

死刑制度っていうか、犯罪を起こした人への懲罰に対する見方は人それぞれです。
割と渋沢判事の考えって理解できるんだよね。
殺したらそれで終わる。
でも、ずっと無期懲役だと、その犯人のために仕事しなくてはいけない人のことを思うとまた気の毒でありますが。
看守とか、刑務所で働いている人とか。

犯人は分かりましたが、残りページを考えて「まだ何か残されている」と思うのは悲しいファンの性(笑)
その通り「何か」が待ってましたが、そこに行くまでに費やした時間と努力を思うと、あまりにもラストが短絡的ではないかと思ったのです。
頭もいいんだしさー。もう少し何か考えた方がよかったのでは??
と、意地悪く考えてしまいました。

「前田利家と妻まつ」 中島道子



前田利家と妻まつ 中島道子

戦国時代の夫婦の物語といえば、豊臣秀吉とねねの話が有名だが、秀吉夫妻と終生の親交を結んだ前田利家と妻まつの歩みも、「ミニ太閤記」とでもいうべき輝かしい出世譚である。若気の至りで主君・織田信長の勘気をこうむり、足軽長屋に暮らしはじめた利家とまつ。まさにゼロからの出発だったが、実直・律儀に忠義を尽くす利家は、やがて帰参を許され、信長の計らいで前田の当主となる。その後、戦場往来の日々に生きる利家を、妻まつはしっかりと支え、二男九女を育て上げていく。信長の横死、秀吉の台頭と天下統一という激変のなか、利家は「加賀百万石」の大名として豊臣政権の屋台骨を支えるようになる。だが秀吉が没し、利家も後を追うように病没すると、加賀前田家の存続をかけたまつの闘いが始まるのだった。

歴史詳しくないのであまり分からない人たちであります(^-^;)
冷静に考えると、新選組しか詳しくないんだよねー。

で、ですね。
読む前のイメージ(例えば、大河ドラマに起用されたイメージ@見てないけど)としてはものすごく仲の良い夫婦という印象でしたが、それはきっと当時としては利家が側室をあまり持たなかったからのようですねー。
正直、私は現代に生きててよかったなと思うばかり。
400年前だよ。400年前。
この時代は子供をあっちにやったり、こっちに囚われたり、養女という名の人質だったり。
あぁーイヤイヤ。

夫はいつも血なまぐさいし。
心が休まるときがありません。

それでもって、良妻だ賢妻だって言われたって・・・
嬉しくもなんともない(T_T)

まぁ・・・400年前に生きていたらそういう事も言わなかっただろうけどね。

「名探偵誕生」 似鳥鶏



名探偵誕生 似鳥鶏

その瞬間、あなたは心を撃ち抜かれる。王道かつ斬新。直球の青春ミステリー!

【目次】
となり町は別の国/恋するドトール/海王星を割る/愛していると言えるのか/初恋の終わる日


星川瑞人(みーくん)は隣の家の5歳年上の千歳おねーちゃんに恋をしているのです。
小学生から中学生、高校生、大学生・・・
それが1章から4章ね。
何か事件があると頭のよい、千歳おねーちゃんが解決してくれます。

ずっと淡い恋心を抱きながらも、言えないみーくん。
まぁね、学生時代の5歳下ってねぇー。
ないだろう。うん。みーくんには悪いけど。

最後の5章は、みーくんが千歳おねーちゃんのために頑張る話です。

2話目はストーカーってここまでするの?
と、思い切り引く話でしたが・・・
ここまで出来るもんなのかなぁー。
いろいろと不思議でした。

「上石神井さよならレボリューション」 長沢樹



上石神井さよならレボリューション 長沢樹

成績不振の写真部員・設楽洋輔は、眉目秀麗で天才で変態の岡江和馬の勉強指導と引換えに『フェティシズムの捕獲』を請け負うことに。高校一の美少女で生物部員の愛香の依頼で一緒に野鳥の撮影をしつつチャンスを狙う中、様々な「消失」事件に出会い…。天真瀾漫で運動神経抜群の愛香の突飛な行動、冷静かつ的確な岡江の推理を参考にしながら、設楽は意外な事件の真相に迫る。青春ミステリー!

【目次】(「BOOK」データベースより)
落合川トリジン・フライ/残堀川サマー・イタシブセ/七里ヶ浜ヴァニッシュメント&クライシス/恋ヶ窪スワントーン・ラブ/上石神井さよならレボリューション


帯に『青春本格」とあったのでモロ本格かと思って期待していたのですが
残念ながらそういう感じではなかった。

読書メーターで他の人も書いてたけど、キャラクターは面白いです。
恥じらいのない美少女川野とか面白いです。

私が一番お気に入りだったのは、学生プロレスの実況の人だけどww
こういうのってありそうでおかしい。

ただ、実際の事件はちょっと難しくややこしく、場所がイメージしづらく
これでもう少し事件を丁寧に書いたらもっと面白かったんでは?

なーんて上から目線で言ってみました( ̄ω ̄*)

「星の見える家」 新津きよみ



星の見える家 新津きよみ

安曇野で一人暮らしをする佳代子。病気がちの弟のため、家族で引っ越し、ペンションを始めたのだが、体調が回復した弟が東京の高校に進学したことを機に、家族はゆるやかに崩壊していく。一人になった佳代子は、ペンションをやめべーカリーを始めるのだが、そこにはある秘密が……(表題作)。再び生きることを目指す女性の恐怖と感動を描く、オリジナル短編集!

心理サスペンスというだけあって、心理的にぞくっときます。
結構好き。
短編なので印象に残る話と残らない話がありまして。

表題作は最初から最後までイヤーーーーな、陰湿な何かこうくるものがあって、めっちゃ好きでした(笑)
あと、万引きした後に、後輩に誘われドキドキしながら何食わぬ顔をし、でもドキドキして・・・そして・・・っていう話も好きだった。

そうだそうだ。結婚式の引き出物にもらった因縁の伊万里焼のワイングラスをバザーに出したっていうのもいい話だった(笑)
あぁー。この続きが読みたいww

ただ、インパクトの強い話の反面、全く記憶に残ってない話もありましたね。
なんというか、あまりハッピーエンドを求めてないのかもしれない。うん。

「ドクター・デスの遺産」 中山七里



ドクター・デスの遺産 中山七里

安らかな死をもたらす白衣の訪問者は、聖人か、悪魔か。警視庁vs闇の医師=極限の頭脳戦が幕を開ける。どんでん返しの帝王が放つ、息もつかせぬ警察医療ミステリ!

【目次】
望まれた死/救われた死/急かされた死/苦痛なき死/受け継がれた死


犬養シリーズ。
男性の嘘は分かるけれど、女性の気持ちは分からないという人ですが、どうやら子供の気持ちも分からないようです。

安楽死は殺人か。っていうテーマです。

でもねぇー、今は犯罪で殺人だけど、死ぬ権利っていうのは本人にないのか!?
とも書いてます。
自殺っていっても、病気で辛くて辛くてもう耐えられなくても、ビルから飛び降りる体力もなければ首吊る体力もないワケでしょー。

薬1つで楽になれるとなると、それにすがるのもわかる気がします。

ラスト犬養は刑事と一人の男との立場で究極の選択をします。

まぁ私でも犬養と同じことしますし、犬養を責められるわけないし。
もちろん、ドクター・デスのこともね。

早くそういう法が出来るといいのではと思います。
今は本当に長寿化社会だし、延命だったり延命拒否だったりしますが
どっちにしろ消極的だと思います。

「フェティッシュ」 西澤保彦



フェティッシュ 西澤保彦

秘めた欲望が蠢きだす…鬼才のミステリ長編!
触れれば死ぬ。悲惨な死を遂げた女性たちの葬儀に現れた、謎めいた美少年の正体は——? 人々の秘められた欲望と謎と血が渦巻く、めくるめく迷宮世界。書き下ろし長編ミステリ。


フェティッシュというのは「フェチ」みたいなもので、
「崇拝の対象」という意味もあるみたい。

みんな美少年クルミに惑わされ、なぜかみんな襲う(?)
なんでだろう。
ある人は足に魅入られ、ある人は手、ある人は顔、
とにかくみんなクルミに触りたい。触ってなでまくりたい、食べまくりたい。
そんな怪しい行動を起こしてしまう。

で、実際こういう事だったんだってところでは「は?」と思うけれど、
それよりも何よりもクルミが気の毒だなぁーと思いました。
なんか、変なのに捕まったなぁーと。

私は〇〇フェチっていうのはないのですが、
やっぱり人体のひとつの部分に異常に執着してしまうとか
あるのかなー。
そこは共感しづらい部分でした。

「にらみ」 長岡弘樹



にらみ 長岡弘樹

にらみ”とは、刑事が公判を傍聴し、被告人が供述を翻したりしないよう、無言で圧力をかけることー。事務所荒らしで捕まり、懲役五年の判決を受けた窃盗の常習犯・保原尚道は、仮釈放中に保護司を殺害しようとした容疑で逮捕された。取り調べを担当する片平成之は、四年前の保原の裁判で“にらみ”をしていて面識があった。保原は自首しており、目撃者による面通しも終えているのだが、片平は納得していない。保原は人を殺めようとするほどの悪人なのかー。(「にらみ」)驚きと情感あふれるミステリー傑作集!

【目次】(「BOOK」データベースより)
餞別/遺品の迷い/実況中継/白秋の道標/雑草/にらみ/百万に一つの崖


長岡さんの短編集はパンチが効いているので好きです。
パンチという言い方で正しいか分からないんだけど
かなり好み。

多少救いようのない感じだったり、モヤモヤ感が残ったり。
「あぁーそういうことだったのか」
と振り返る。
他の読メの感想で「プチどんでん返し」とありましたが、
そういうイメージでいいと思います。
豪快なひっくり返すようなどんでん返しじゃなくて、
でも「あぁー」と思う。
そういうところが好きです。

「実況中継」とか「雑草」とか一筋縄でいかないような話が
好みであります。