igaigaの徒然読書ブログ

読んだ本の感想を気ままに書く読書ブログ。時々映画鑑賞。

「記憶破断者」 小林泰三



記憶破断者 小林泰三

頼りになるのは、ノートだけ。記憶がもたない男は、記憶を書き換える殺人鬼に勝てるのか?見覚えのない部屋で目覚めた二吉。目の前には一冊のノート。そこに記されていたのは、自分が前向性健忘症であることと「今、自分は殺人鬼と戦っている」ということだった。殺人鬼は、人に触れることで記憶を改竄する能力を持っていた。周囲は誰も気がつかない中、その能力に気がついた二吉に、殺人鬼の脅威が迫り来る。絶対絶命の中、記憶がもたない二吉は、いったいどういう方法で、殺人鬼を追いつめるのか?二人の勝負の行方は?

今まで読んだ小林作品の中で一番のお気に入り。
先が気になって夜更かしですよ。もう若くないのに(笑)

でも、多少都合がいいよね。
記憶が数十分しか持たないのに、なんだかんだで殺人犯と戦ってるし、
そういう都合のよさが多少気になるけれど、
「細かいことはいいや!」とあまり細かくないところまで気にしないで読みました。

第一、眠ってしまい記憶が飛んだとき、多大な情報の入っているノートを逐一
読んでいる時間があるのかと。
殺人犯は今そこにいるのに。

でも、面白い展開で楽しかった。
最後のあのシーンはアメリカのホラーみたいな終わりかたで
多少釈然としませんが、あの人はいったい何者なんだろう。

「チュベローズで待ってる AGE32」 加藤シゲアキ




チュベローズで待ってる 加藤シゲアキ

2025年。ゲーム会社に就職した光太は、気鋭のクリエイターとして活躍しながらも、心に大きな喪失感を抱えていた。そんな彼の前に、再び現れたチュベローズの面々。折しも、不気味な女子高生連続失踪事件が世間を騒がせ、光太が心血をそそぐプロジェクトは大きな壁にぶつかろうとしていた。停滞した時間が一気に動き出そうとするなか、否応なしに過去と向き合った末に、光太がたどりついた10年前の恐ろしくも哀しい真実とはー。

正直失速したなーと。
連続して読まなかったせいもあるかもしれませんけれど、
光太も32歳になって守りに入ってしまった感じがしました。
結婚しているわけでもないし、家族、恋人がいるわけでもない。
でも、会社での地位があるんだよね。

なので、美津子の甥が登場しても保身というか、そういう感じに思える。
それはそれで光太の成長だからいいんだけど、ユースケ@甥にしたら
許せないんだよねー。

しかし・・・自殺した伯母の復讐って・・・??
ちょっと疑問ではある。

ラストは綺麗な終わり方になりましたが、そこにも登場する10年の壁。
これが1年後だったり2年後だったりすると私の気持ちも違うけれど、
結果として10年後だもんね。

なんかモヤモヤ感がもんのすごい。
2025年の話ってことなので、DTっていう無人タクシーが登場
してましたがリアルにこれはありそうだ。

そしてタイトルなのにほとんど登場しなかったチュベローズ(T_T)

「銀河鉄道の父」 門井慶喜



銀河鉄道の父 門井慶喜

宮沢賢治は祖父の代から続く富裕な質屋に生まれた。家を継ぐべき長男だったが、賢治は学問の道を進み、理想を求め、創作に情熱を注いだ。勤勉、優秀な商人であり、地元の熱心な篤志家でもあった父・政次郎は、この息子にどう接するべきか、苦悩したー。生涯夢を追い続けた賢治と、父でありすぎた父政次郎との対立と慈愛の月日。

直木賞~(*'ω'*)
で、初めましての作家さんです。

宮沢賢治のお父さんの話なんだけど、
普通に考えて宮沢賢治はダメ男だと思う。
金銭感覚は最悪だし、山師っていうか、
自分の才能を過信し、人造宝石を作るんだっ!!
とかいう。

それにかかる資金はお父さんに出してもらうんだもーん。

的な甘々な考えで、政次郎@父は厳しくしたいのだけど、
どうも厳しきしきれない。
なんでだろうねー。
長男だからかな。
読んでて不思議だった。明治の男ですし。

こんな石とか宗教だ言っている人が気づけば童話作家。
不思議だー。

ちなみにワタクシigaiga。
宮沢賢治は「注文の多い料理店」しか読んだことがありません。
「銀河鉄道の夜」と「風の又三郎」はわらび座のミュージカルで観たけど
「注文の多い料理店」はおそらく小学生くらいに読んだと思うんだけど
この話のオチに子供心にときめきました(笑)

昔からこういう展開の話が好きだったのかも。

「第五番」 久坂部羊



第五番 久坂部羊

創陵大学准教授の菅井は患者の黒い肉腫に唖然とした。エイズに酷似するウイルスが骨を溶かし数日で全身に転移、意識障害で死に至らしめる。あらゆる薬が効かず数カ月で日本中にこの「新型カポジ肉腫」が多発したが国は無策で人々は恐慌した。一方ウィーンで天才医師・為頼がWHOの関連組織から陰謀の勧誘を受ける。ベストセラー『無痛』の続編。

とりあえず続編読みたいなーと思っていたのでスッキリしたのですが、
相変わらずこの小説を医師が書いているということに衝撃を受けます。

どこからどう読んでも「医者になんてかかるな」「治療??ムダムダ」
「いつでも医師はライバル」「自分の名声が第一」

などなどです。
読んでて怖いです。

この新種の奇病と前回の登場人物があいまみえて、
なんだか分からない展開になります(^-^;)

そういう意味では読み終わってどっと疲れた感じ。

なんだか誰にとっても救いはないしー。
読み手の私にとっても医療不信になりそうだしー。

だいたいこの人の書く本はコメディであれシリアスであれ
医療不信を思わせる事ばかり書くんだもんなーーー。
前回気になるところで終わったので、読みましたが
そこの部分に関してはもんのすごい肩透かしだったこと
だけは書いておきましょう。

「継続捜査ゼミ」 今野敏



継続捜査ゼミ 今野敏

長年の刑事生活の後、警察学校校長を最後に退官した小早川の再就職先は女子大だった。彼が『刑事政策演習ゼミ』、別名『継続捜査ゼミ』で5人の女子大生と挑む課題は公訴時効が廃止された未解決の殺人等重要事案。最初に選んだのは逃走経路すら不明の15年前の老夫婦殺人事件だった。彼らは時間の壁を超え事件の真相に到達できるのか。異色のチーム警察小説、シリーズ第1弾!

「隠蔽捜査」以外の今野作品ってあんまり合わないので
この本もどうかなーと思って読んだのですが、予想通り・・・

イマイチでした( ̄∇ ̄;)

なんだろう。警察が気の毒としか言いようがなく。
なんで??
そんなたった数回のゼミで・・・
なんで???

何といったらいいのか分からない。
女子大生目当てに「オブザーバーですから」と言いながら
仕事をさぼってゼミに参加する目黒署の安斎・・・

他にもいろいろと突っ込みたいところが山ほどあります。

小早川教授(でも元刑事)の人となりはとてもよかったのですが
それ以上のほめ言葉は浮かばず。
「シリーズ第一弾」とあるものの、第二弾が出たら読むかどうかは別。

「ヒトごろし」 京極夏彦



ヒトごろし 京極夏彦

殺す。殺す殺す。ころしてやる――。新選組の闇に切り込む禁断の異聞! 人々に鬼と恐れられた新選組の副長・土方歳三。幼き日、目にしたある光景がその後の運命を大きく狂わせる。胸に蠢く黒い衝動に駆られ、人でなしとして生きる道の先には? 激動の幕末で暗躍し、血に塗れた最凶の男が今蘇る。京極夏彦史上、衝撃度No.1! 大ボリュームで贈る、圧巻の本格歴史小説の誕生。


「新選組の土方さんが大好きだと」いうのは前にもブログで書いたかもしれません。
このブログでも土方さんがらみの本は読んでいるつもりだし、ブログやる前から
結構読んでます。
(でも、司馬遼太郎は読んでないのねー)


この京極作品の中の土方さん。
とても素敵でした(〃ω〃)


新選組なんだけど、やっぱり京極作品だなぁーと思うのは独特な漢字の使い方。
バカは「莫迦」ですし、それ以外にも結構難解な漢字が登場します。
(京極あるある)


沖田総司を思い切り「サイコパス」にしてます。
これはねー目から鱗だった。
そういわれるとそうかも。


今まで他の本を読んでいると、土方さんと沖田が仲良しでつるんでいる本を
よく読みましたが、今回はサイコパスの沖田を見るのが心底うんざりで・・・
という本です。面白いです。


脱走した山南を連れ戻し、そこで土方さんと会話するシーンなども
物凄く深くて読み応えあります。
土方さんと勝海州の会話も面白かったです。
こうして読むと土方さんって頭いいなと思うのです。
あくまでもこの本の話ですが。


壬生義士伝にて主役を張った吉村貫一郎ですが、この本にも
登場してまして、やたら「銭」「銭」言ってました(笑)
何というか・・・作品が違うと強調される部分も違うようです。


沖田がサイコパスなくらいですし。


1080ページ以上でしたが、最期、箱館の一本木で死んだわけですが、
その最後に涼が登場しまして・・・
あぁーなんでここだけ三文小説風!?!?


ここまで面白く読んだのに~~~
なんかとてもとても不満です。
まさかここに涼が登場するなんて(T_T)


でも読みごたえはバッチリでした。
しいて言えば30日中に読みたかった。
会社に持っていくにはこの本重い。

「インフルエンス」 近藤史恵



インフルエンス 近藤史恵

「あのね。よく聞きなさい。昨日、団地で男の人が殺されたの」知っている。わたしが殺したのだ。母は続けてこう言った。「警察に里子ちゃんが連れて行かれたの」友梨、真帆、里子。大人になった三人の人生が交差した時、衝撃の真実が見える。傑作長編エンタテインメント。

家の近くにそこそこ大きい団地がありまして。
小学生の頃は学区がかぶらず、同級生はいなかったんだけど、
中学生になり、団地住まいの同級生というのもいました。

当時は団地って当たり前で、小学生のころに友人と
「将来結婚したら団地のお隣さん同士になって醤油の貸し借りしようね」
なんて他愛のない話をしてました。

これは私も友人も団地に住んでなかったからの発言。

実際に団地に住んでいた人たちはどうだったんだろう。
なんてこの本を読んで思った。
或る程度の収入や家族構成が必要となる団地。
うーーーむ。難しいなぁ。

そして思ったのが、この本を読む限りですが、
人を殺すのって簡単!?

故意であったり、偶然も働きましたが。
あっけないものだ。

お互いがお互いを守るために起こす行動。
子供だからこそ、そういう思いは強いのかなー。


「豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件」 倉知淳



豆腐の角の頭ぶつけて死んでしまえ事件 倉知淳

戦争末期、帝國陸軍の研究所で、若い兵士が倒れていた。屍体の周りの床には、なぜか豆腐の欠片が散らばっていた。どう見ても、兵士は豆腐の角に頭をぶつけて死んだ様にしか見えなかったがー?驚天動地&前代未聞&空前絶後の密室ミステリの真相は!?ユーモア&本格満載。猫丸先輩シリーズ最新作収録のミステリ・バラエティ!

【目次】(「BOOK」データベースより)
変奏曲・ABCの殺人/社内偏愛/薬味と甘味の殺人現場/夜を見る猫/豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件猫丸先輩の出張


最近・・・倉知さんが仕事をしている気がします・・・
今までなんてこうも短期間で新作読めなかったもの。
どうしたんだろう???
wikiでは「冷蔵庫が空になるまで仕事をしない寡作で有名」とありましたので
いよいよ冷蔵庫が空になったか・・・と思っている一読者です。

どれもゆるくて面白いです。

久々の猫丸先輩が登場します。
永遠の30代。
着ぐるみかぶって登場。

猫丸先輩も面白かったんだけど、一番最初の「変奏曲・ABCの殺人」がお気に入りです。
青原(A)の町で浅嶺(A)が殺され、番祥寺町(B)で馬場(B)が殺された。
この偶然を生かしたい。
自分は「堂ケ谷(D)に住んでいる弟(段田/D)を殺したい!」
A,B、Dとくればいいじゃないか。
そのためには・・・と考えるんです。

しかし・・・世の中はそれほど甘くなく、「えーーー!?」という展開が待ってます。
この展開面白いです。

表題作はねー。これは考えたよなぁーと思います。
正木博士が熱く・・熱すぎるくらい語ったアレが結局関係してくるのかー。
読んでいると「そんなアホな・・・」と呆然とするのですが、
最後のオチと考えると結構面白です。

表紙はもちろん豆腐です。はい。

「離れ折紙」 黒川博行



離れ折紙 黒川博行

フリーのキュレーターの澤井は、大物建築家の未亡人に請われて、美術品の鑑定に出向いた。そこで見つけた硝子のレリーフは幻の逸品だったが、割れていた。澤井は一計を案じ、まんまとレリーフを手に入れるが…(「唐獅子硝子」)。古美術業界を舞台に、人間の尽きることない欲望をあぶり出す傑作美術ミステリ。

【目次】
唐獅子硝子/離れ折紙/雨後の筍/不二万丈/老松ぼっくり/紫金末


珍しくシリーズものではない作品です。

古美術とか骨董、そこに贋作とか出てくるとどうしても北森鴻さんの作品を思い出します。
同じテーマでも黒川作品になるとどうしてこうもゲスい作品になるのか。

不思議でなりません(*´ω`)

でも、本来はこうなのだ。
きっと世の中はキツネと狸しかいないのだ。
そう思っちゃう1冊でした。

騙される方が悪い。
それはこの本1冊を通じてずーーっと書いてました。
しかも、キャラ濃いし。

ラストに冬木塔子さんという人が登場してました。
それこそ北森作品の冬狐堂(陶子さん)を思い出しました。

しかし・・・古美術に何百万、何千万とお金が飛ぶ。
不思議な世界です。

「シュークリーム・パニック」 倉知淳



シュークリーム・パニック 倉知淳

体質改善セミナーに参加したメタボな男性4人組。インストラクターの無慈悲な指導によって耐え難い空腹感が怒りへと変わっていく中、冷蔵庫のシュークリームが盗まれる大事件が発生する。爆笑必至の「限定販売特製濃厚プレミアムシュークリーム事件」はじめ、ひと味違う傑作本格ミステリ作品を全6編収録。

【目次】(「BOOK」データベースより)
現金強奪作戦!(但し現地集合)/限定販売特製濃厚プレミアムシュークリーム事件/強運の男/通い猫ぐるぐる/名探偵南郷九条の失策 怪盗ジャスティスからの予告状/夏の終わりと僕らの影と


以前、ノベルスで1冊だけ読んでたのでようやく丸々1冊読むことが出来ました。
何というか、強烈なのだけ未読だった。
ダイエット合宿する中年のおっさんの話とか、「こんなんあり!?」と叫びたくなりそうな探偵が出てくる話とか。
「名探偵~」の話はねー。本当に「えーー??」という絶叫レベルです(笑)

全体的に気軽に読める短編かなー。
ひとつも難しい話もなく、やや脱力気味で。
猫に秘密の4桁の数字を隠す。さて・・・どこに隠す??
という話も「なるほどねー」と思うけれど、
解釈は人それぞれじゃないかな?
順番だったり、右回り左回り、前後いろいろ。