igaigaの徒然読書ブログ

読んだ本の感想を気ままに書く読書ブログ。時々映画鑑賞。

「ドアを開けたら」 大崎梢



ドアを開けたら 大崎梢

鶴川佑作は横須賀のマンションに住む、独身の五十四歳。借りた雑誌を返すため、同じ階の住人・串本を訪ねた。だが、インターフォンを押しても返事がなく、鍵もかかっていない。心配になり家に上がると、来客があった痕跡を残して串本が事切れていた。翌日いっぱいまで遺体が発見されては困る事情を抱える佑作は、通報もせずに逃げ出すが、その様子を佐々木紘人と名乗る高校生に撮影され、脅迫を受けることに。翌朝、考えを改め、通報する覚悟を決めた佑作が紘人とともに部屋を訪れると、今度は遺体が消えていた…著者渾身の本格長編ミステリー

ドアを開けたら死体があって、
もう一回開けたら死体が消えてて、
さらに開けたら死体が戻ってた。

っていう話です(・ω・)

大崎作品には珍しい主役が54歳無職の小太り中年男(T_T)
主人公に何の魅力も感じない。
こんだけ萌えない主人公が今までいただろうか!?
力説したくなりました。

多少強引な展開もありましたが、マンションの住民が結構仲いいんだよね。
井戸端会議もしてるし、人付き合いが濃厚なマンションでした。
だからこその事件解決&後味のよさ。
悪かったことは悪かったと素直に謝れるその人となりが
今は、珍しいとすら思う。
まぁ集団心理みたいなのもあるだろうけどね。

ただ、どこにでも同行する不登校高校生の紘人はやっぱり違和感。
お手伝いの葬儀場とか、やっぱり普通に考えてもこの人いると首かしげちゃう。

「聖者が街にやって来た」 宇佐美まこと



聖者が街にやって来た 宇佐美まこと

企業誘致に成功し、タワーマンションも林立して人口が急増する神奈川県多摩川市湧新地区で、小谷桜子は古くから花屋を営んでいる。十七歳の娘・菫子が市民の結束を目的に企画されたミュージカルの演者に選ばれた。新旧の住民が入り交じり盛り上がっていく街。だが、水を差すかのように若い女性が立て続けに殺される。それぞれの遺体近くには異なる花びらが一片だけ、なぜか残されていた。犯人が捕まらず、謎も不明なまま、街に不穏な空気が満ちるなか、今度は菫子が何者かに誘拐されてしまう。格差、母子家庭、LGBT、子どもの貧困、タワマン、危険ドラッグ…。ニッポンの“今”を鋭く照らす傑作長編!

なんとなくホラーというイメージが強い作家さんですが、これは正統派ミステリーでした。
面白かったですが、オカマとニューハーフの違いが分からない私です。
この本に出てくるのは「オカマ」らしく、刑事が「これだからニューハーフは・・・」というセリフに自称オカマのレイカさんは激怒します。

私も激怒対象かもしれん。

殺人事件が立て続けに起こり、この本に出ている誰かが犯人だよなぁーと思ったのですが、この人が犯人だったのかとちょっとショックだった。
というか、完全なるノーマーク。
確かに心に闇持ってるようではありましたが、殺人にまで手を染めるとはなぁー。
それなりの理由があったようだけど。
殺人を起こす理由を考えるのも大変よね。
殺すほどの理由、必要だもんね。

菫子が拉致監禁されそうになった、脱出アイテムがまさかの伝書鳩。
鳩かぁー。
なんか、そこだけ昭和を感じました(笑)

「かがやく月の宮」 宇月原晴明



かがやく月の宮 宇月原清明

かの有名な竹から産まれたという逸話も、五人の公達の尋常ならざる貢物も、すべて竹取翁の仕掛けた罠だったーー? 翁の術中にはまった帝は禁裏を抜け出し、竹取館へ向かう。愛しのかぐや姫と邂逅を果たした帝は、しかし、病に伏してしまった。天照大御神の末裔は一体、何を見たのか。姫が昇天する夜、月が真実を照らし出す。

これはーうーん。
おそらく紫式部であろう人が、この竹取物語を読んだ感想を思いながら、
「さて自分も・・・」と源氏物語を書くというスタイルらしいが。

その「竹取物語」というのがまたねぇ、「日本最古の物語」とか「日本最古のSF」とか言われてるけれど、子供のころに絵本的なものを読んだわけですね。
しかし、大人になる過程で「宇宙皇子」とか「QED」とか読むと「元の話なんだったっけ??」となる始末で(笑)

これ、もう少し「かぐや姫」という物語の土台がわかれば楽しめたかもしれませんが、ちょっと私には難しかったかも。
逆に、作中の人物がこれから書くであろう源氏物語のほうが詳しいのだ(*´ω`)

そういう意味では私には少し難しい本でありました。

「帝都探偵大戦」 芦辺拓



帝都探偵大戦 芦辺拓

半七、銭形平次、顎十郎らが江戸を騒がす奇怪な謎を追う「黎明篇」。軍靴の足音響く東京で、ナチスが探す“輝くトラペゾヘドロン”を巡る国家的謀略に巻き込まれた法水麟太郎・帆村荘六らの活躍を描く「戦前篇」。空襲の傷が癒えぬ東京で、神津恭介が“あべこべ死体”に遭遇し、明智探偵事務所宛の依頼を受けた小林少年が奇禍に見舞われ、帝都を覆う巨大な陰謀に、警視庁捜査一課の名警部集団のほか、大阪など各都市からも強力な援軍が駆けつけ総力戦を挑む「戦後篇」。五十人の名探偵たちが新たな犯罪と戦うため、いま集結する。

【目次】
帝都探偵大戦 黎明篇/帝都探偵大戦 戦前篇/帝都探偵大戦 戦後篇


芦辺さんの本って面白いんだけど、「面白い」と思うまでに時間がかかるっていうか・・・
掴みは悪い作家さんだなとは思う・・・

ってことで、物語も半分に行くころに面白いと思うようになりました。
っていうか、探偵ほとんど知らないし。
小林少年しか知らなかった(T_T)
っていうか、小林少年は私にとって神だしー。
小林少年が年上のころからテレビで見てましたが、
あっという間に歳とびこえてしまったけど・・・

昔ながらの探偵がたくさん登場します。
銭形平次も探偵になるわけ?

ってことで、探偵が登場しすぎて1つの事件なのか、次の事件になっているのかややこしいまま終わった。
多少消化不良だった。

「極悪専用」 大沢在昌



極悪専用 大沢在昌

清掃、点検、管理、補修に、爆弾処理!?このマンションなら、何でもアリ。規約さえ守れば、ヤクザでも刑事でも戦車でも、不測の訪問者は、すべてシャットアウト。だが、そこは悪人たちのオリンピック会場だった。俺はそんな最凶最悪マンションの管理人助手。ゴリラに似た管理人白旗との一年間の不思議な共同生活が始まった。危険すぎる、ご近所系ノワールコメディ。

【目次】
極悪専用/六〇三号室/日曜日は戦争/つかのまの…/闇の術師/最凶のお嬢様/黒変/二〇一号室/元日の来訪者/緊急避難通路


目次とかあるから短編かと思いきや、まさかの長編だった。
表紙もタイトルも「おっ!?」と思うけれど、中身は意外に軽い。
軽いというか、ライトというか・・・

読書メーターで平山夢明さんの「ダイナー」に似てる。と、ありましたが
「あー!!わかるわかる!!(・∀・)」
的な。ダイナーまた読みたいなぁー(家にある)

殺し屋とかだったら、逆に分かりやすいんだけど、
なぜか極悪専用のマンションなのに、老婆が住んでて、
愛想よくて、いつも拓馬@主人公に飴とかお菓子とかくれて。
拓馬は甘いもの好きじゃないから、お礼言っておいてあとで
「美味しかったですよ」なんて言うんだけど、実はそれが・・・
な感じで、「こういう婆が一番怖い」としみじみ思いました。

ラストまで飽きずに読みました。
っていうか、ハラハラ度は強くなり「大丈夫なのだろうか?」と
拓馬よりも白旗さんの身を案じた私です。

「新・二都物語」 芦辺拓



新・二都物語 芦辺拓

時は明治三十六年(一九〇三年)。ここに始まるのは、極東の島国で生まれた男たちの物語である。東北の寒村生まれの柾木謙吉は、生家が零落し、逃げるように故郷を離れ、出版王の書生になった。銀行頭取の息子で大阪のど真ん中で何不自由なく育った水町祥太郎は、高等遊民をしていた。生まれも境遇もまったく異なる二人であったが、関東大震災直後の東京で邂逅し、意気投合する。そして不思議な縁で、接点を持つことになるのだが…。ユーモアとペーソスあふれる長編小説。

芦辺さんの本、久々~(〃ω〃)
ミステリーでも怪奇でもなく、エンタメでございました。
時代的には関東大震災から阪神大震災までって感じになりますが、この間、72年なんだね。
下手すれば両方体験している人もいたかもしれないんだ。

やむに已まれぬ事情から「笠尾喜之」として生きなくてはいけなくなった、「征木謙吉」。
もう一人の主役が「水町祥太郎」
こっちは元々が金持ちなんだよね。
で、映画の道に入ることになって・・・

祥太郎はとても自由で羨ましい。
戦争時代を突っ走っている時代なのに、そういうのもあまりなく。
謙吉は官僚となっているので、満州に行ったりはするんだけど。

しかし、謙吉時代に祥太郎に会っている笠尾@本当は謙吉。は、
自分の正体がバレるのを恐れるため、祥太郎に会いたくなく。
まぁ1度会っただけでも、顔を覚える人っているんだなーと
5回くらい会わないと全く覚えられない私としては、不思議な話ではありますが。

どこか因縁を感じながらも大正から昭和までの時代を過ごしていった2人の男。

しかししかし!!!
最後の電車でのアレはねぇーーーー。
何というか、男のロマンか男の勝手か知りませんが、
妻子がいる祥太郎はダメだろ。
自由にもほどがあるとブンスカしてしまいました。

「いつかの人質」 芦沢央



いつかの人質 芦沢央

12年前、誘拐された少女。そして発生した二度目の誘拐事件。目の見えぬ少女はなぜ、再び狙われたのかー。過去と現在を繋ぐのは、誘拐犯の娘。『罪の余白』の新鋭が放つ、戦慄の心理サスペンス!

展開が意外で驚いたっていうか・・・
あれだね。
犯人は自分の大切な人以外は本当にどうでもいいんだねー。
たとえ暴力をふるっても。

盲目の愛子にそこまでしなくちゃいけないかなぁと思ってね。
そういうところは、私が悪に徹しきれないところなのでしょうが。
(まぁ、悪になる必要もないので)

なので、犯人の行動に「うぇーー!?」と思ってしまった。

ちょっと違う推理をしていたんですけどね。
そこは見事に外れました。

しかししかし・・・・読み終わっても愛子が可哀想でしかない印章です。
本人はとても前向きで聡明なんだけどね。

「骨を弔う」 宇佐美まこと



骨を弔う 宇佐美まこと

骨格標本が発掘されたことを報じる地元紙の小さな記事を見つけた家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。
しかし、それは記事の発掘場所とは明らかに異なっていた。同時に、ある確かな手触りから「あれは本当に標本だったのか」との思いを抱いた豊は、今は都内で広告代理店に勤務する哲平に会いに行く。
最初は訝しがっていた哲平も、ふと、記憶の底に淀んでいたあることを口にする。
リーダー的存在だった骨格標本埋葬の発案者・真実子の消息はわからないまま、謎は思いも寄らぬ方向に傾斜していく。


この本で登場してるんです。
実名で。
「宇佐まこと」が。
小説家で。

しかも、キーパーソンで!!!!

それがなければ100%満足できる話でした。

小学校5年生の時に、イヤな先生に一泡吹かせるために同級生と共に土に埋めた骨格標本。
それが違うところから出てきた。
っていうか、骨格標本ってそうそう土に埋まってるものじゃないでしょ?

ということで、メンバーの1人だった豊が当時の仲間の元を訪ねて、その真相にたどり着くんだけど、物凄く面白かったです。
29年も経ってると、みんな満足できる人生を過ごしているわけでもなく、みなさんくたびれた中年になってましたが・・・・(1人をのぞく)

だからこそ、何というか、ラストは店を開くってところで締めておけばよかったと思うんだけどなぁー。
返す返すも宇佐美まこと・・・
なんでこうしちゃったんだ。という気持ちがぬぐえません。

「インド倶楽部の謎」 有栖川有栖



インド倶楽部の謎 有栖川有栖

前世から自分が死ぬ日までーすべての運命が予言され記されているというインドに伝わる「アガスティアの葉」。この神秘に触れようと、神戸の異人館街の外れにある屋敷に“インド倶楽部”のメンバー七人が集まった。その数日後、イベントに立ち会った者が相次いで殺される。まさかその死は予言されていたのか!?捜査をはじめた臨床犯罪学者の火村英生と推理作家の有栖川有栖は、謎に包まれた例会と連続殺人事件の関係に迫っていく!

イマイチ。

このシリーズのファンだからこそ腹の立つこともあるし、
内容の割にはページ数が多い。
なんでこんなに厚いのか。

この内容だったら半分でもいいんじゃないかなと思うのです。

火村とアリスのどーでもいい会話が多すぎるし、
第一、今までの火アリシリーズのタイトルについて話し出すとか!!
火アリのアリス→学生アリスの作者
学生アリスのアリス→火アリの作者
という設定を無視する許しがたい言動。

と、前々のファンからすると思うのです。
そして、永遠の34歳なのに時代は動くので
「前前前世」の歌がどうの~と。時事ネタまで入る(TдT)

まぁ今回は前世がテーマなんだけど。

動機も弱いが、こんなにページ数が多いのに
犯人が分かってからの雑さ。
もう少し丁寧に説明してくれるかと思ったのに。

と久々の火アリに不満たらたらの私でした。

「わたし、定時で帰ります」 朱野帰子



わたし、定時で帰ります 朱野帰子

ねえ、いつまで残業するつもり? 新時代を告げるお仕事小説、ここに誕生! 絶対に残業しないと心に決めている会社員の結衣。時には批判されることもあるが、彼女にはどうしても残業したくない理由があった。仕事が最優先の元婚約者、風邪をひいても休まない同僚、すぐに辞めると言い出す新人。様々な社員に囲まれて働く結衣の前に、無茶な仕事を振って部下を潰すという噂のブラックな上司が現れてーー 。

超~~~面白かった。

上司ってこういう人多いよね。
私は、結衣タイプであります。
だってねー、「事務所は残業代ないんだ」という、社長なので働いても金にならないんだったらしないのだ。
「私は5時までしか金銭が発生しない」と言い切って帰ります。

が!!!

休めない(T_T)
一人事務員なので、物理的にキツい。
そういう意味では三谷がかなりの割合で私の中にいる。

この本を読んでると「上司ってアホだ」と思う。
「死ぬ気になるとなんでもできる」
なんて・・・(´-ω-`)

文中に何度も登場する「24時間戦えますか」のCMがどうの~とか。
そういう年代なので、つい
「ビジネスマーン ビジネスマーン! ジャパニズビジネスマーン」と
叫びたくなる。

休ませようとしないのは、私にだけではなく、工場の人にも強いるわが社の社長。
「お腹痛い」と休む人がいれば、「一日中、腹痛いわけでもないし」という。
しかし、仕事中、トイレに行こうものなら、「便所に行く時間に金払ってない」という。

すみませーん。誰か通訳をっ!!

上司なんてこんなもんさ。

でも、この本もまたすごかったー。
いろいろと強烈で。
福永に関しては絞め殺したくなりました(´-ω-`)
結衣はよくやった。

どうなるのかと気になってほぼ一気読み。
共感しまくり~