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2021.01.26 (Tue)

羊は安らかに草を食み 宇佐美まこと



羊は安らかに草を食み 宇佐美まこと

アイと富士子は、二十年来の友人・益恵を“最後の旅”に連れ出すことにした。それは、益恵がかつて暮らした土地を巡る旅。大津、松山、五島列島…満州からの引揚者だった益恵は、いかにして敗戦の苛酷を生き延び、今日の平穏を得たのか。彼女が隠しつづけてきた秘密とは?旅の果て、益恵がこれまで見せたことのない感情を露わにした時、老女たちの運命は急転するー。

認知症の年寄りを連れて行くのもまた年寄り。
読んでると「大丈夫?」なんて思うけれど、逆に同年代だからこその気配りがあるのかな。
若い人だとイライラしちゃうことも、老人だからこそできる。

そんな益恵を連れていくアイと富士子も各々に問題を抱えてて。
それでも今は益恵のために・・と、長崎や松山を旅行します。

途中途中で登場する益恵の少女時代のエピソード。
満州から11歳で一人生き残り、日本までたどり着く壮絶すぎる人生。
途中で知り合った同じ境遇の佳代と2人で生きていく。

これは全くのフィクションでもなく、実際に似たようなことはあったんだろう
と「参考文献」を見るとわかる。
戦争ってロクなものじゃないよね。と。
益恵の最初の夫も本当はこういう人じゃなかった。
でも、戦争が狂わせた。

益恵の「最後の旅」に同行したアイと富士子も益恵の人生を垣間見ることが
出来て気持ちをあらたに。

これは読んだ後もいろいろと考え込んでしまう1冊でした。
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2020.05.15 (Fri)

「黒鳥の湖」 宇佐美まこと



黒鳥の湖 宇佐美まこと

拉致した女性の体の一部を家族に送り付け楽しむ、醜悪な殺人者。突然、様子のおかしくなった高校生のひとり娘。全ては自らが過去に犯した罪の報いなのかー!?推理作家協会賞受賞作家が、人間の悪を描き切った驚愕のミステリー!

割と好き。

「ちょっと・・・」と思う所もないわけではないんだけど。
人間関係とか。親子関係。親戚関係。

極端な人が多いせいもあって、行動がものすごく極端。
娘とかね。
妻である由布子が秘密にしてた内容があまりにも酷すぎて
気の毒になりました。
それに振り回される結果になった娘もまた辛いところ。
潔癖な年ごろだからね。

大黒サマに関しては予想通りでした。
タイミング的に。
そうなると、大黒サマがどういう人かと想像すると
その先も見える。
こういう人もいるんだろうけれど、この人も「極端な人」の1人。
まぁこの人が一番極端だよね。

みんな振り回されてる。

ラストは上手くまとめた感じもするし。よかったのではないかという
気持ちもあります。
まぁ・・・何というか、極端ではありますが。
16:09  |  宇佐美まこと  |  トラックバック(0)  |  コメント(2)  |  EDIT  |  Top↑

2020.04.21 (Tue)

「少女たちは夜歩く」 宇佐美まこと



少女たちは夜歩く 宇佐美まこと

狂気の恋に落ちた女子高生、奇妙な絵の修復を依頼された女、不治の病に冒された男、謎のケモノと出会った少年、死んだ人間が見える女…街の中心にある城山の魔界にからめとられ、闇に彷徨う人々。悪夢を見た彼らに救いの時は訪れるのかーミステリーからホラー、ファンタジーまで越境する魔術師・宇佐美まことの到達点!

これはねー。
何というか・・・ネタバレしたいけど。
この先読む人のために・・・内緒♪

短編なんだけど、1話1話が重い話なので、ゆっくり読めばいいかーと
思っていたのですが。
読み終わってみると、「失敗した・・・一気に読むべきだった」
と、なります。

どれもこれも薄気味悪い話ではありますので
そこら辺は大変好みです。
イヤーーーーーな感じで終わるんだけど、
何というか、実在しないような変な生き物も登場するので
そこは好き嫌いがわかれるかもしれない

しかし・・・一気に読めば面白かっただろうなぁー。
3日くらいかかったもんな。
失敗(T_T)

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2019.03.15 (Fri)

「聖者が街にやって来た」 宇佐美まこと



聖者が街にやって来た 宇佐美まこと

企業誘致に成功し、タワーマンションも林立して人口が急増する神奈川県多摩川市湧新地区で、小谷桜子は古くから花屋を営んでいる。十七歳の娘・菫子が市民の結束を目的に企画されたミュージカルの演者に選ばれた。新旧の住民が入り交じり盛り上がっていく街。だが、水を差すかのように若い女性が立て続けに殺される。それぞれの遺体近くには異なる花びらが一片だけ、なぜか残されていた。犯人が捕まらず、謎も不明なまま、街に不穏な空気が満ちるなか、今度は菫子が何者かに誘拐されてしまう。格差、母子家庭、LGBT、子どもの貧困、タワマン、危険ドラッグ…。ニッポンの“今”を鋭く照らす傑作長編!

なんとなくホラーというイメージが強い作家さんですが、これは正統派ミステリーでした。
面白かったですが、オカマとニューハーフの違いが分からない私です。
この本に出てくるのは「オカマ」らしく、刑事が「これだからニューハーフは・・・」というセリフに自称オカマのレイカさんは激怒します。

私も激怒対象かもしれん。

殺人事件が立て続けに起こり、この本に出ている誰かが犯人だよなぁーと思ったのですが、この人が犯人だったのかとちょっとショックだった。
というか、完全なるノーマーク。
確かに心に闇持ってるようではありましたが、殺人にまで手を染めるとはなぁー。
それなりの理由があったようだけど。
殺人を起こす理由を考えるのも大変よね。
殺すほどの理由、必要だもんね。

菫子が拉致監禁されそうになった、脱出アイテムがまさかの伝書鳩。
鳩かぁー。
なんか、そこだけ昭和を感じました(笑)
05:24  |  宇佐美まこと  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑

2019.02.02 (Sat)

「骨を弔う」 宇佐美まこと



骨を弔う 宇佐美まこと

骨格標本が発掘されたことを報じる地元紙の小さな記事を見つけた家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。
しかし、それは記事の発掘場所とは明らかに異なっていた。同時に、ある確かな手触りから「あれは本当に標本だったのか」との思いを抱いた豊は、今は都内で広告代理店に勤務する哲平に会いに行く。
最初は訝しがっていた哲平も、ふと、記憶の底に淀んでいたあることを口にする。
リーダー的存在だった骨格標本埋葬の発案者・真実子の消息はわからないまま、謎は思いも寄らぬ方向に傾斜していく。


この本で登場してるんです。
実名で。
「宇佐まこと」が。
小説家で。

しかも、キーパーソンで!!!!

それがなければ100%満足できる話でした。

小学校5年生の時に、イヤな先生に一泡吹かせるために同級生と共に土に埋めた骨格標本。
それが違うところから出てきた。
っていうか、骨格標本ってそうそう土に埋まってるものじゃないでしょ?

ということで、メンバーの1人だった豊が当時の仲間の元を訪ねて、その真相にたどり着くんだけど、物凄く面白かったです。
29年も経ってると、みんな満足できる人生を過ごしているわけでもなく、みなさんくたびれた中年になってましたが・・・・(1人をのぞく)

だからこそ、何というか、ラストは店を開くってところで締めておけばよかったと思うんだけどなぁー。
返す返すも宇佐美まこと・・・
なんでこうしちゃったんだ。という気持ちがぬぐえません。
07:00  |  宇佐美まこと  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑

2018.02.24 (Sat)

「愚者の毒」 宇佐美まこと



愚者の毒 宇佐美まこと

一九八五年、上野の職安で出会った葉子と希美。互いに後ろ暗い過去を秘めながら、友情を深めてゆく。しかし、希美の紹介で葉子が家政婦として働き出した旧家の主の不審死をきっかけに、過去の因縁が二人に襲いかかる。全ての始まりは一九六五年、筑豊の廃坑集落で仕組まれた、陰惨な殺しだった…。絶望が招いた罪と転落。そして、裁きの形とは?衝撃の傑作!

読んでる人読んでる人すべて評判がよくて、「私も早く読みたいなー」と思って図書館探してたら文庫本だったっていう(笑)
※文庫本は図書館にないのです(TдT)

でも、面白かった。
ちゃんと定価で買いましたがよかった。

大体本の表紙って意味あるじゃないですか。
この表紙を見てからの、歯医者のシーン。

希美の保険証でハコが歯医者に行った。
よりにもよって歯医者!
このシーンは絶対使われるだろうと思っていたら
案の定・・・案の定だった。
「こ・・・このパターンは!!!」と一抹のイヤな予感を思いましたら
結果的には私の予想通りの展開に。

しかしそこにはただの一点の悪意もなく。
悲しい偶然と勘違いによって起きてしまった出来事かなぁと。


なんとなく、もう少し掘り下げて話たくなりましたので
この先はネタバレとなります。


ネタバレオッケーの方だけどうぞ(。・ω・)ノ゙






渡部が登場して、望遠鏡を難波さんに買い、説明をしだした時点で
渡部の正体@達也であることがとても臭ってきました。
なぜこの場にいるのだと。

で、先生が死んでしまったとき、ハコ&達也は由起夫を疑った。
先生が閉所恐怖症だと知っているのは由起夫だけだと。
でも、実際は違ってて。
由起夫ではなかった。
しかし、達也は由起夫を殺したわけで・・・
そうなると、先生を殺した復讐ってことかなー。
ハコは偶然に加藤の車に乗ってしまった。
しかし、それもまた由起夫が細工した車であったこと。
それもあるかなぁー。

そして由起夫が妻の本当の子供でないことを先生とハコは知っていた。
しかし、由起夫と加藤は必死に隠そうとしていた。
先生はとっくに知っていたのに。

なんだか辛く重いなぁー。
そして希美の父。
なんだかこういう人きっと当時は沢山いただろうと思うと気の毒でならない。

16:35  |  宇佐美まこと  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑

2018.02.17 (Sat)

「角の生えた帽子」 宇佐美まこと



角の生えた帽子 宇佐美まこと

毎夜、同じような悪夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことで性的興奮を覚えるという夢だ。その夢はまるで自分がやったかのような錯覚に陥るほど、リアルなのだ。ある日、自分が見た夢と同じ殺人事件の犯人がつかまったニュースが流れた。そこには自分と同じ顔の、違う名前の男が映っていたー。行き止まりの人間たちを描いた全九篇。

【目次】(「BOOK」データベースより)
悪魔の帽子/城山界隈奇譚/夏休みのケイカク/花うつけ/みどりの吐息/犬嫌い/あなたの望み通りのものを/左利きの鬼/湿原の女神


初めましての作家さんです。
でも、家に買った本が積んでます@愚者の毒

こういう作風なのかな。
どこか怪しくて多少レトロで不思議な感覚。

個人的には「悪魔の帽子」「犬嫌い」が好み。
イヤな感じがしながらも、分かりやすい話が好きです。

静かな場所でじっくり読むのがいいです。
少しざわついているとあまり頭に入らない(笑)
っていうか、ざわついてた場所@会社で読んだ時の話が
あまり好みじゃなかったのかも。

基本的に登場人物は暗い人が多いです。
最後の「湿原の女神」の話だけは割と前向きの人だったけど、
それ以外はどよーんとした人が多かった。

こうなると愚者の毒も楽しみ。
05:00  |  宇佐美まこと  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
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