2016.09.02 (Fri)
「赤へ」 井上荒野

赤へ 井上荒野
ふいに思い知る、すぐそこにあることに。時に静かに、時に声高にー。直木賞作家が描く「死」を巡る十の物語。
【目次】
虫の息/時計/逃げる/ドア/ボトルシップ/赤へ/どこかの庭で/十三人目の行方不明者/母のこと/雨
「死」をテーマにした短編集だったのかっ!!
だから読みながら「なんか暗いなー」と思っていたのです(笑)
「母のこと」は唯一好きかなー。
癌に侵されたんだけど延命措置をせず、緩和ケアで娘夫婦と過ごしていくのですが
読むことと食べることしかしない。
癌じゃなかったら私もそういう生活をしたい(笑)
「虫の息」はハッキリいって・・・プールにそのまま沈めてしまいたい(汗)
「何を言うんだ!」と思われるかもしれない。しかし、
読んだ人はきっと「頭から沈めてしまいたい」と思うわ。きっと( ̄ω ̄*)
他の人のブログを見て「わたしもこんな庭を作りたい!」とブロガーの真似を
したくなる心理というのは分かります。
しかし、ブログというのは庭を作るだけではなく、自分の事を書いたりします。
そしてある日更新されなくなるブログ。
「死」がテーマの短編集なのでねー。
こういうのはリアルにありそうです。
ただ、読んでてスッキリしなかったので個人的にはイマイチでした(。・ω・。)
2013.06.24 (Mon)
「切羽へ」 井上荒野

切羽へ 井上荒野
静かな島で、夫と穏やかで幸福な日々を送るセイの前に、ある日、一人の男が現れる。夫を深く愛していながら、どうしようもなく惹かれてゆくセイ。やがて二人は、これ以上は進めない場所へと向かってゆく。「切羽」とはそれ以上先へは進めない場所。宿命の出会いに揺れる女と男を、緻密な筆に描ききった哀感あふれる恋愛小説。(BOOKデータベースより)
直木賞受賞作~(*^ω^*)
最近は意識してこういう「受賞作」を読んでます。
手元に乱歩賞受賞作も1冊あります。
芥川賞はちょいと苦手なので、乱歩賞と直木賞受賞作はこれからも意識して読んでいきたいです。
井上さん2作目です。
「切羽」というのは、トンネル工事をする時の先端のことだそうです。
なので、トンネルが完成したら、切羽もなくなるワケですが、
別にトンネル工事の話でもなんでもなく。
読み終わってから「なんだったんだ??」と思わないワケでもなかった。
人口の少ない島で暮らしていると、どうしても「本土」から来る人は「異物」なのかしら。
BOOKデータベースに書かれてるほど熱い話でもなく、
静かな話なんだけど、この静かさが決して嫌いではないです。
時に心が動いたり、ゆすぶられたり、そんな心理だったり葛藤だったり。
普段、私が好む本とは全然タイプの違う本でしたが、
たまにこういう静かに進む本を読むとちょっと気持ちが新鮮になります。
2013.06.11 (Tue)
「あなたにだけわかること」 井上荒野

あなたにだけわかること 井上荒野
桐生駿と野田夏が出会ったのは5歳のとき。駿の母と夏の父が不倫の恋に落ちたからだ。密会を重ねる父母の情事のあいだ、それと知らず共に過ごした幼いふたり。以来、思い出したくない記憶を封印し、それぞれの道を選んだふたりなのに、なぜか人生の曲がり角ごとに出会ってしまう。まるで、互いのおろかな恋愛の証言者のように…。男と女の“恋愛よりも深い縁”を描く長篇小説。(BOOKデータベースより)
はじめましての作家さんです。
前々から読みたいなと思っていた作家さんの1人ですが、
この本は・・・うーーん。
面白くないワケではないのですが、
江國香織さんと辻仁成さんの「左岸」「右岸」を思い出しました。
ちょっとシチュエーションはちがうけれど、
子供のころから知り合いながらも恋愛に発展しない2人。
しかし、人生のターニングポイントでは必ずかかわってくる。
読みながら「左岸」「右岸」を思い出してしまったということは・・・
似てたかな。
しかもあっちは2人でそれぞれ1冊でバカみたいに厚い本。
こちらは・・・
1時間ちょいで完読。
その時代の薄さもちょっとね。
残念です。
「左岸」「右岸」を読んでない人にオススメかもしれません。
結局2人の人生って幸せだったのか不幸だったのか。
普通に読んでると幸せそうには感じないけど、
ラストを読むとそれなりに幸せだったのか。
2人の接点がもう少しあったらまた違う人生だったかもしれない。
なんて思ってみました。


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