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2020.12.10 (Thu)

「明日の僕に風が吹く」 乾ルカ



明日の僕に風が吹く 乾ルカ

川嶋有人は離島の診療所に勤める叔父に憧れ、自らも医師を目指していた。だが、重度のアレルギー発作を起こした転入生を助けようとして失敗し、彼女には障害が残ってしまう。罪悪感と絶望に押しつぶされた有人は、引きこもりの日々を過ごしてきたが、叔父の勧めにより北海道の離島・照羽尻島で暮らすことになる。この島は「海鳥の楽園」と呼ばれていて、高校の全校生徒はたったの5人ー島生まれの誠と涼先輩、有人と同じ“訳あり”で島外から来ている桃花とハル先輩だった。島の生活に戸惑い、時に反発しながらも、有人は徐々に前を向き始める。だが、突然の別れと残酷な真実が降りかかり…。感動が胸を満たす、再生と成長の物語。


物凄く面白かったです。
何というか、難しいところだけれど。
島外から来る人はみんなワケありで。
有人だけではなくて、ハル先輩も桃花もやっぱりワケありだった。

島の住人で同級生でもある誠はものすごくいい人だった。
有人が困らない距離感。
こういうの出来る人ってなかなかいないんだよね。

そして、有人が少しずつ島の暮らしにも慣れていったときに
叔父のフェイドアウト。
そこからまた迷走するも、やっぱりそこで誠が登場して。
いいよなぁー。しみじみ・・・

プライバシーも何もない島だと東京の人にとってカルチャーショック
すぎるよね。叔父さんの後の医者にブーブー言う島の人って
少し前だけど、うちの県のある村で医者が長続きしないとか
そういうのを思い出したり。
田舎に常勤してくれるっていうのって大変だよなぁーと
医者に同情して読んだりしましたが。

とにかく最高の読後感で満足しました。
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2019.08.22 (Thu)

「コイコワレ」 乾ルカ



コイコワレ 乾ルカ

太平洋戦争末期。敗色濃厚の気配の中、東京から東北の田舎へ集団疎開してきた小学生たち。青い目を持つ美しい少女、六年生の浜野清子もそのひとりだった。その目の色ゆえか、周りに溶け込めない孤独な彼女が出会ったのが、捨て子で疎開先の寺の養女、那須野リツ。野山を駆け巡る少年のような野性を持つリツも、その生い立ちと負けん気の強さから「山犬」と揶揄される孤独な少女だった。だが、それは「海」と「山」という絶対に相容れない宿命の出会い。理由もなくお互いを嫌悪するふたりだが、ひとりの青年をめぐり、次第に接近してゆく…。これは、戦争という巨大で悲劇的な対立世界を背景に、血の呪縛に抗い、自らの未来を変えようとした、ふたりの少女の切ない物語。

螺旋プロジェクト2冊目~(・∀・)

それにしても、「カカフカカ」(←マンガ)みたいなタイトルだわね。
「カカフカカ」は「可か不可か」という漢字が当てはまるのですが、
この「コイコワレ」はなんでしょうねー。
読んだ感じとしては「乞い請われ」がしっくりきます。

「願い」を感じました。

眼の色が青いということで、いじめの対象になってしまう清子。
今の時代ではそういうことでいじめられるとは思いませんが、
時代は戦争中。鬼畜英米なんて言っているなかでの青い瞳。
うーーん。気の毒だ。

基本物静かな清子なのに、疎開先で出会ってリツにだけは悪意
モロだしで、リツもまた一目見て、すぐ清子に悪意を持つ。
挙句には滝に突き落としたり。

そこからの2人の成長がとても面白かったです。
なんか、「螺旋プロジェクト」の設定が逆に邪魔をしているような
気がしないでもなかったんだけど。
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2019.07.17 (Wed)

「心音」 乾ルカ



心音 乾ルカ

城石明音は先天性の心疾患を患っていた。8歳の時に病状が悪化し、両親は渡米しての心臓移植手術を決断する。しかし、そのためには1億5千万円という莫大な費用が必要だった。懸命の募金活動の末、募金額は目標額を超え、明音はチャーター機でアメリカに渡った。幸いドナーも見つかり、手術も無事に成功し、明音は一命を取り留めた。誰もが明音の生を祝福しているかのようだった。このときまではー。募金活動と心臓移植手術によって命を救われた少女・城石明音の半生を、教師、同級生、夫など周囲の人間の目を通して描いた、骨太の人間ドラマ!!

子どもの心臓移植が必要で、海外で移植できた子と、移植が間に合わず死んでしまった子。
物語はそこからスタートするわけですが、生き残った子=明音は中学入学後に
「一億五千万円さん」と呼ばれたり、「まだ生きてる」って言われたり。


高校はさすがに中学と同じ区内ではなく、違う高校に行きましたが、
偶然同中がいたんだな。
でも、その子は積極的にいじめるわけでもなかったんだけど、
結局キッカケになってしまったようで・・・
そこも何というかやるせない。

で、その後結婚。
結婚!?

でも、結婚したかと思ったら前妻の子供が不注意で
相手にけがをさせてしまって。
そこからどうなるんだろうと思っていたら、
やっぱり最後まで息苦しい展開だった。

どこがポイントだったんだろうと思いながらも、
最後に冴季が言った「死にたくても死ねない」というのが
一番のポイントかなぁー。
それこそ一億五千万円もかけて移植して、ほとんどが寄付で、
自殺したいなんて言えるものでも思ってもいけないみたいな
状況だよなぁー。

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2018.03.20 (Tue)

「あの日にかえりたい」 乾ルカ



あの日にかえりたい 乾ルカ

地震に遭った翌日、少年は、海の匂いのする、見たこともない町に立っていた。通りかかったオバサンの家で親の迎えを待つ間に体験したのは、少年がこれまでしてみたかったことばかりで…(「翔る少年」)。介護施設で出会った、嘘のような人生を語る車いすの老人との交流と意外な結末を描く表題作ほか、時空を超えた小さな奇跡と希望を描く六篇。第143回直木賞候補作。

【目次】
真夜中の動物園/翔る少年/あの日にかえりたい/へび玉/did not finish/夜、あるく


もうすんごく泣いたっ。
「翔る少年」
この話がもう私の涙腺を攻撃してしまって・・・

そのせいで、「翔る少年」以降の話があまり頭に入ってない(笑)

そのくらい泣きました。
「夜、あるく」とか割とほんわかしたのもありますし、
「真夜中の動物園」のように、将来を暗示する話もあります。

でもでも、「翔る少年」は衝撃的でした。
何回読んでも泣くし、読んでなくても思い出すだけで泣けます。
本を読んで泣くのは疲れるのであまり泣きたくないんだけど、
この話は心にくるというか、悲しいながらも嬉しい。
嬉しいけれど絶望もあり・・・
そんな気持ちになりました。

でも、元(少年の名前)にとっては美味しかっただろうし、楽しかったと思う。
「オバサン」にとっても夢のような時間だったのではないかと思うと・・・

・・・また涙がでます(T_T)
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2016.03.23 (Wed)

「モノクローム」 乾ルカ



モノクローム 乾ルカ

母さんが僕を捨てた理由。僕の、これからの生きる道。答えは全部、碁盤の上にある。暗闇の中に切なさがこみあげる青春囲碁長編。

読み終わってみて、なんで母親が自分を捨てたのか。
とかなんとか書いているけど、何をどう良心的にとらえたって最悪の母親じゃないの。
ありえない。

結果的に最初から親としては生きられなかった人であって、
そういうところから、駄々っ子にしかみえない慶吾のような大人ができる。

香田がいないと今ごろ死んでるんじゃ??というくらい濃密な友情関係で、
危うく「そっち系??(BL)」と焦りそうになった(笑)

囲碁はねー。
さっぱりわかりません(^^;)

ただ、慶吾も大きな声でワンワンと泣きたかったんだろうなとは伝わりました。
本当に人付き合いの出来ないそういう人でありながらも、
香田と知り合い、ようやく人間らしくなっていった感じがします。
そういう意味では、香田は本当によくできた人間だなと思います。
ちょっと距離感が近いような・・・という気はするけど、
慶吾みたいな人間にとってはいいのかもしれない。
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2016.01.06 (Wed)

「ミツハの一族」 乾ルカ



ミツハの一族 乾ルカ

未練を残して死んだ者は鬼となり、井戸の水を赤く濁す。そのままでは水源は涸れ、村は滅んでしまう。鬼となった者の未練を解消し、常世に送れるのは、“ミツハの一族”と呼ばれる不思議な一族の「烏目役」と「水守」のみ。黒々とした烏目を持つ、北海道帝国大学医学部に通う八尾清次郎に報せが届く。烏目役の徒兄が死んだと。墓参りのため村に赴き、初めて水守の屋敷を訪ねた清次郎は、そこで美しい少女と出会うー。大正時代の北海道を抒情豊かに描いた、清艶なミステリ。

【目次】(「BOOK」データベースより)
水面水鬼/黒羽黒珠/母子母情/青雲青山/常世現世


面白かった。
夜になると見えない烏目の清次郎と
夜しか見えない(明るいとまぶしくて見えない)水守が未練を残して死んだ「鬼」を
成仏させるための任務(っていうのかなー)を行うんだけど。

面白かったです。

最初はただ「鬼」になってしまった人の心残りを手助けするだけだったんだけど
文字を読めない水守のために、清次郎(烏目の人)が本を与え文字を教え
そこからの心のつながりが手に取るようにわかり。

だからこその最終話は涙・涙でした。
本読んで久しぶりに泣いたなー。

悲しくもいい話だったと思います。
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2015.12.08 (Tue)

「奇縁七景」 乾ルカ



奇想七景 乾ルカ


奇想爆発!七つの“ことば”から生まれた、まったく読み味の違う七つの奇妙な物語。著者ならではの怪作集。

【目次】
虫が好かない/目に入れても/報いの一矢/夜の鶴/只よりも高いもの/黒い瞳の内/岡目八目


大好きだっ!!!

この乾さんの書く物語。
本当に「ざまーみろ」という展開になっているので救われます(笑)
ラストは少し上手くまとめすぎたのではないかなと思うのですけれど。

最初の2話が本当にイヤな人がいてそこでまたラストがねぇ。
好みです(〃ω〃)
このイヤな感じが(笑)

後半の話になっていくと、少し心温まる物語になってしまってねぇ。
救いのない話のほうが好きという心がねじ曲がっている私なので。
最初の2話が酷かったので(←ほめ言葉)

でも、久々に乾作品を読んだのでスッキリしました。
また何か違う本を読もう。
いつもそう思わせる作家さんです。
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2015.04.11 (Sat)

「森に願いを」 乾ルカ



森に願いを 乾ルカ

いじめ、就職、恋愛、不治の病…さまざまな思いを抱えた人々の運命を変える言葉とは?静かな感動を呼ぶ「森」のミステリー。(BOOKデータベースより)

【目次】
色づく木ー鏡の森/春めく木ー我は地に伏し/雪待つ木ーインディアンサマー/病の木ー夏の名残のバラ/育ちゆく木ー五十二歳の秘密基地/とらわれの木ー揚げひばり/新たなる木ー光差す場所


どちらかというと読了感の良いハートフルな乾作品でありました。
うーーーーーーーん。私は乾さんに関してはハートフルは求めてない(笑)

綺麗に整備された森というのはいいかもしれない。
数年前に流行ったマイナスイオンじゃないですが気持ちが浄化されるのかもしれません。

しかし、この本に登場した森番以外の人間の話ですが・・・
女はそろいもそろって自意識過剰で自信満々のロクな女ではないし、
男は男でじめじめした男ばっかりで、それに関しては統一して腹が立ちました(笑)

特に女の話。バイトを辞めて5年経っても恨みつらみを持ってる女とか
「自分のスキルに合わない」と寝言言ってる女とか。

そういうレベルの女が森に行くかな。という純粋な疑問は湧きましたが。

逆に男はそろいもそろって後ろ向きな人ばかりで、
こういう人たちは逆に森に行きそうです。
森に行くことにより、救われて良かったんじゃないかなと思いました。

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2015.02.18 (Wed)

「てふてふ荘へようこそ」 乾ルカ



てふてふ荘へようこそ 乾ルカ

直木賞候補作『あの日にかえりたい』の異才が挑んだ、笑いあり涙ありの連作ヒューマンドラマ!このアパート、なにやら秘密があります。特異な事情を抱えた6人の住人たちが出会った奇跡。切なくて、哀しくて、でもあったかい、おんぼろアパート物語。予想外のラストまでノンストップ。(BOOKデータベースより)

乾さんってこんなハートフルな作品も書くのねー。
と、今まで7冊読んだけど、殆どグロだったから(笑)
あまりにもハートフルで泣いたし。
うん。

2話目と3話目がお気に入りです。
特に2話目がいいなー。
一緒に呑みながら強く諭すわけでもなく、優しく諭す。
見守る。そして分かりあえる。
泣けたっ・゚・(ノД`;)・゚・

かと思うと3話目のように、叱咤激励して体育会系みたいなノリながらも
二人三脚で頑張る。
なんかすごく前向きなんだけどっ。

後、最後のシーンでビリヤードでなんかよく分からない技を一回で決めないといけなくて。
それはこのアパートの住人にとっては本当に大切な事なので各々で練習をしていたのです。
でもそれは本当に大大大プレッシャーで、
思わず尻込みした1号室住人に2号室住人が

「じゃあなぜ練習したのだ」

というシーンが好きだなー。
いつもの乾さんのグロ作品も好きですが、こういうのも面白かったです。
11:42  |  乾ルカ  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑

2015.01.13 (Tue)

「たったひとり」 乾ルカ



たったひとり 乾ルカ

なぜ俺たちは戻ってきてしまうんだ!?半壊したラブホテル。廃墟探索サークルの男女5人を襲うタイムループ。極限状況で剥きだしになるエゴ、渦巻く愛憎。悪夢を脱するため、たったひとりの犠牲の山羊となるのは誰か?驚愕の新感覚ホラー(BOOKデータベースより)

救いようゼローーーー(;´Д`)

「ラブホテルと教師と女子生徒」という組み合わせは最近読んだなー(←ホテルローヤル)

お約束なのだろうか。

27年前の世界に入り込んでしまった5人は
なんとか抜け出そうとあれやこれやと頑張るのですが、
小野寺秋穂が死ぬほど怖かったです(TωT)

小野寺秋穂の章からなんか不気味になっていき、
そして読了感は史上最悪で
最後はワケわからん状況になり、
これで終わりなのかと首を傾げたくなるような・・・
ラスト、もしかして善意の第三者の身がとても心配になりました。
大丈夫だったのでしょうか。

心中願望というのはなんというか、お互い合意の上で「死のうね♪」と
言っている分にはいいが、無理心中というのは本当にいただけないものですね。
彼が本当に気の毒になりました。
08:52  |  乾ルカ  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
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