igaigaの徒然読書ブログ

読んだ本の感想を気ままに書く読書ブログ。時々映画鑑賞。

「フェティッシュ」 西澤保彦



フェティッシュ 西澤保彦

秘めた欲望が蠢きだす…鬼才のミステリ長編!
触れれば死ぬ。悲惨な死を遂げた女性たちの葬儀に現れた、謎めいた美少年の正体は——? 人々の秘められた欲望と謎と血が渦巻く、めくるめく迷宮世界。書き下ろし長編ミステリ。


フェティッシュというのは「フェチ」みたいなもので、
「崇拝の対象」という意味もあるみたい。

みんな美少年クルミに惑わされ、なぜかみんな襲う(?)
なんでだろう。
ある人は足に魅入られ、ある人は手、ある人は顔、
とにかくみんなクルミに触りたい。触ってなでまくりたい、食べまくりたい。
そんな怪しい行動を起こしてしまう。

で、実際こういう事だったんだってところでは「は?」と思うけれど、
それよりも何よりもクルミが気の毒だなぁーと思いました。
なんか、変なのに捕まったなぁーと。

私は〇〇フェチっていうのはないのですが、
やっぱり人体のひとつの部分に異常に執着してしまうとか
あるのかなー。
そこは共感しづらい部分でした。

「動機、そして沈黙」 西澤保彦



動機、そして沈黙 西澤保彦

時効まで二時間となった猟奇犯罪「平成の切り裂きジャック」事件を、ベテラン刑事が回想する。妻と戯れに推論を重ねるうち、恐ろしい仮説が立ち上がってきて…。表題作ほか、妄執、エロス、フェティシズムに爛れた人間の内面を、精緻なロジックでさらけだす全六作品。

【目次】
ぼくが彼女にしたこと/迷い込んだ死神/未開封/死に損/九のつく歳/動機、そして沈黙


確かに。
いろいろな種類の作品が登場した短編集です。
面白く読みましたが、少し疲れた(笑)

表題作の「動機、そして沈黙」と「迷い込んだ死神」が好きだなー。
両方ともやりきれなさというか、読んだ後の喪失感がハンパないです。
かなり好きかも。
これはいい。
特に表題作は、きちんと解決はしてないんです。
でも、もしかして事実はこうだったんじゃないか・・・って霧島が
回想したのはもしかして真実??
なんて思った日にはぞわーっと来るね。
真実かどうかは別として。

他の話も喪失感とかやりきれない感じが好きだけど、
「九のつく歳」は正直気持ち悪かったです(^^;)
ゴミとかさー。漁って持ち帰られるのって気味悪い。
プライバシーもへったくれもないね。

「悪魔を憐れむ」 西澤保彦



悪魔を憐れむ 西澤保彦

「その時間、先生が校舎の五階から跳び降り自殺しないように見張っていてほしい」。大学OBの居酒屋店主からそう頼まれた匠千暁は、現場で待機していたにもかかわらず、小岩井先生をみすみす死なせてしまう。老教師の転落死の謎を匠千暁が追い、真犯人から「悪魔の口上」を引き出す表題作。平塚刑事の実家の母屋で十三年間にわたって起こる、午前三時に置き時計が飛んできてソファで寝ている人を襲う心霊現象の謎と隠された哀しい真実を解く「無間呪縛」。男女三人が殺害された現場から被害者二人の首と手首だけが持ち去られ、それぞれ別の場所に放置されていた事件の、犯人の奇妙な動機を推理する「意匠の切断」。ホテルの九階に宿泊する元教職者はなぜエレベータを七階と五階で降りたか?…殺人事件の奇想天外なアリバイ工作を見破る「死は天秤にかけられて」。ミステリの魔術師・西澤保彦の、四つの珠玉ミステリ連作集。

【目次】
無間呪縛/悪魔を憐れむ/意匠の切断/死は天秤にかけられて


前回シリーズものの思いっきり途中を読んでしまい、
「あぁーー遡らなくては」と嘆いていたのですが、逆に進んでしまった(笑)

でもこのシリーズ不思議なことに時系列があっちこっちに飛ぶようです。
メインキャラが大学生だったり大学卒業してたり・・・
なのであまり気にしなくてもいいみたい。
ただ、今回は本当のメインキャストである匠千暁が全作に登場していたので
話が分かりやすかった。
表題作の「悪魔を憐れむ」はなかなか怖い話です。

へぇー。なるほどねー。と
そこは西澤さんの腕なのか、どういう話にももって行けるねー。

ってことで次こそは遡ろうと思ってます。
タカチとタックの関係性が今一つわかってないので。

あと、刑事がタック・タカチに対してかなり好意的なんだよね。
そのいきさつも知りたい。

「さよならは明日の約束」 西澤保彦



さよならは明日の約束 西澤保彦


本好き美少女とジャンク映画フリーク男子が、置き去りにされた謎に挑みます。古い本とドーナッツ、エスプレッソの香りに包まれて。今はもういない、大切な人たちの記憶に触れながら。

【目次】
恋文/男は関係なさすぎる/パズル韜晦/さよならは明日の約束


さわやかな西澤さんだったー(笑)
なんだろう。この不思議な読了感は・・・

別に西澤さんじゃないとこういうのもありかなーと思うんだけど、
酷い時は徹底的に後味悪くするタイプの作家さんなので
素直に終わったので驚いた。

読んでてそれこそ「萌え」とは言わないけれど、ほんわかします。
温かい気持ちになるというか・・・
楽しいです。

相変わらず食べ物描写が素敵で食べたくなりますが、
私はドーナツより大盛のミートソースだな。うむ。

主役の高校生2人がさわやかで、よく考えてみるとそれ以外の大人の人たちはそこそこ薄汚れた感じはしてたな。
そういえば・・・(;・∀・)

「身代わり」 西澤保彦



身代わり 西澤保彦

身代わりの、身代わりの、身代わりは、身代わりの、身代わりだったー!?名作『依存』から9年。変わらぬ丁々発止の推理合戦、あの4人が長編で元気に帰ってきた!書き下ろし長編ミステリ。

シリーズものの第6作目をいきなり読んでしまったという
最近ではない失敗(´⌒`。)

っていうか・・・西澤作品を結構読んでいるつもりだったけど
慢心以外の何物でもなかった(笑)

おかげで登場人物の関係性やら背景が分からず読み終わった後にwikiで
調べるという・・・あぁ・・・バカ。

まぁこの本だけでも単品の殺人事件ものとしては楽しめるのですが
要所要所に登場人物の意味深な何かを書いているのでそっちも気になりました。

ケータイのない時代の話。
「電話を貸して」と友人の家に行くっていうのが昭和っぽくていいなぁ。

実際の殺人事件ものとしては「なるほどねー」と思いましたが、
都市伝説を自分で作るっていうのは、なんかありそうで怖いなと。

「聯愁殺」 西澤保彦



聯愁殺 西澤保彦

大晦日の夜。連続無差別殺人事件の唯一の生存者、梢絵を囲んで推理集団“恋謎会”の面々が集まった。四年前、彼女はなぜ襲われたのか。犯人は今どこにいるのか。ミステリ作家や元刑事などのメンバーが、さまざまな推理を繰り広げるが…。ロジックの名手がつきつける衝撃の本格ミステリ、初の文庫化。

これは好き。

でも、好き嫌いはわかれると思う。
わかれると思うけど・・・この終わり方は好きだーーー。

そんなひねくれた感性を持つigaigaのブログへようこそ(笑)

最初から梢恵は「私はなぜ殺されるところだったのか動機を知りたい」と言っているワケです。
そこは一貫しているのです。
で、大晦日の夜にミステリー作家とか元刑事とかがあーだこーだと推理合戦するのです。

大晦日の!!
夜に!!
みんなヒマ!!!


で、真相があって納得して・・・それでもって・・・
あっはっはー。という終わり方。

好きです(笑)

「回想のぬいぐるみ警部」 西澤保彦



回想のぬいぐるみ警部 西澤保彦

則竹女史の友人が遭遇した事件の真相、江角刑事が若き日に出会ったとある事件関係者の真実など、ぬいぐるみ警部をはじめ個性的な部下たちが活躍する全五編。ますます冴える推理と美貌で周囲を驚かせる音無警部だが、少しずつぬいぐるみへの偏愛ぶりが知られ始めて…。強烈キャラクターも加わり、さらにパワーアップしたユーモア本格推理最新刊。

【目次】
パンダ、拒んだ。/自棄との遭遇/誘う女/あの日、嵐でなければ/離背という名の家畜


4話目と5話目が面白かった。
ってことで・・・あらら。
ぬいぐるみが殆ど活躍してない話だった(笑)

別にぬいぐるみなくても。
と、思う。この濃すぎるキャラで突っ走ればそれでよろしいのではないかと思うのでありますよ。
まぁ作者さんもそう思っているのか、ただぬいぐるみだけ登場して別にそこにある
ぬいぐるみが事件解決のカギに・・・という話はあったけど、全部じゃなかった。

佐智枝の妄想も今回はなく、あらら。ここをはずしたか。
美月というライバルなんだかなんなんだか分からん高校生も準レギュラーになった
ことですし、この後も続きそうなシリーズです。

「赤い糸の呻き」 西澤保彦



赤い糸の呻き 西澤保彦

結婚式場へ向かうエレベータ内で、指名手配犯を監視していたふたりの刑事。突然の停電後に、なんと乗客のひとりが殺害されていた。もっとも怪しいのは、手や服を血で汚した指名手配の男だが…。表題作「赤い糸の呻き」をはじめ、犯人当てミステリ「お弁当ぐるぐる」、都筑道夫の“物部太郎シリーズ”のパスティーシュ「墓標の庭」など、全五編を収録。“西澤保彦ワールド”全開ともいえる、著者入魂の短編集。

【目次】(「BOOK」データベースより)
お弁当ぐるぐる/墓標の庭/カモとネギと鍋のなか/対の住処/赤い糸の呻き


ぬいぐるみ警部の話があった。
これで評判が良かったから単行本として出版したのかなー。

確かにこの短編1つで終わらせるにはキャラが濃すぎて(笑)
警部のぬいぐるみ愛も面白いが、警部を射止めようとする則竹もおもろい。
しかしこのぬいぐるみ警部は「あなたが名探偵」というアンソロジーに載ってて
しかも私読了済みでした。記憶の片隅にもありませんでしたが、
ブログにありました(笑)

個人的には表題作も好きだけど。
赤い糸・・・なるほどー。
っていうかラストに驚きましたが。
面白かったです。

短編ながらどの話も全く違ってて面白かったです。
「対の住処」の女性刑事もユニークで面白かったですしね。

「帰ってきた腕貫探偵」 西澤保彦



帰ってきた腕貫探偵 西澤保彦

街のいたるところに突如現れ、市民の悩みを解きほぐす「櫃洗市一般苦情係」の職員、通称・腕貫探偵。その日、彼のもとにやって来たのは一週間ほど前に亡くなったという女性の霊だった。彼女はベストセラー作家・越沼霞巳と名乗るが、その作家は五十年前に亡くなっているはずだ。五十年前に死んだのは誰だったのか?なぜ女性の魂は今なお現世を漂っているのかー。シリーズ史上、最も不可思議な謎を腕貫探偵が鮮やかに解く!!

【目次】
氷結のメロディ/毒薬の輪廻/指輪もの騙り/追憶


キャラ本として読んでいるのか、ユリエと腕貫さんの絡みが少ないとガッカリしてしまう(笑)

話だけで行くと、最初の話がとても面白かった。
悪意がわかりやすかったというか。
女装している男というちょっと謎のナルシストが登場してましたが(笑)
「あぁ・・・こんな感じで悪意が伝染していくんだなー」と思ったので
面白く読みました。

ラストの話はちょっと「??」な感じ。
なんだかワケ分からないことするんだなーと当事者のことを思ったり。

それにしてもユリエはかわいらしくサッパリしてて面白い。
ユリエと腕貫の食事シーンが好きなので(本当に食べ物の描写が素敵なので)
今度があるならぜひ食事シーンをと思ってしまった。

「下戸は勘定に入れません」 西澤保彦



下戸は勘定に入れません 西澤保彦

大学で教鞭をとる古徳先生はバツイチ・独身の50歳。人生に疲れ、酔って死ねれば本望とウイスキー片手に夜道を歩き始めたが、偶然、旧友・早稲本と出会ってしまう。いまや堂々たる実業家のこの男は、かつて古徳の恋人を奪って結婚したのだった。気まずさに逃げようとする古徳だが、早稲本の誘いを断り切れず、豪邸のホームバーで杯を傾けることに。やがて、酔った2人は28年前の晩へとタイムスリップしてしまう。条件が揃うと、酒の相手を道連れに時間をさかのぼってしまう古徳先生。はたして失った恋の秘密を解き明かすことができるのか?前代未聞のタイムスリップ本格ミステリ!(BOOKデータベースより)

相沢沙呼さんが作品に太ももへの愛をこれでもかと書くのと同じように
西澤保彦さんの作品はお酒への愛をこれでもかとつぎ込む。

そんな本でした。

誰かと同じ酒を飲んでいると、何年か前の同じ日同じ曜日同じ酒を飲んでいたシーンに
意識だけタイムスリップするみたい。
例えば私とダンナが一緒にワイン(銘柄も同じでなくてはならないのでチリワインの「サンライズ」とする)を飲んでいると、ふと何年か前の同日同曜日、私とダンナがサンライズを飲んでいた時に意識が飛ぶんですってー。

6~7年に1回ってことですかね。曜日も一緒ってことは。
まぁそんな感じなんだけど、でも意識だけのトリップなので別に何ってことはないんだけど
また元の世界に戻って「実はこうこうこうだったのではないか」と考えるんだけど・・・

連作短編みたいになってますが、冷静に考えると幸生父がロクでもないので
こういう事が起こったのではないかと思うのですよ。

今回の大収穫は「赤玉ポートワイン」の飲み方。
この本に赤玉ポートワインなんぞが出てきまして
「甘くて飲まれないんじゃないか」と思っていたら作中でもやっぱりそういう事が書かれてまして。
ソーダとレモンで割ったらいいとありました(〃∇〃)
我が家には赤玉はないんだけど、甘くて飲めないワインがありまして。
(懸賞で2本セットであたったのですが1本飲んであまりの甘さに撃沈して、残りの1本に手を出せませんで)
炭酸とレモンで割ろう~。とダンナに話したら
「それだと味が薄まるからそれに焼酎混ぜたらいいんじゃないか」と
真面目な顔で言われました(´・ω・`)
なんか変な味になりそう。