igaigaの徒然読書ブログ

読んだ本の感想を気ままに書く読書ブログ。時々映画鑑賞。

「かがやく月の宮」 宇月原晴明



かがやく月の宮 宇月原清明

かの有名な竹から産まれたという逸話も、五人の公達の尋常ならざる貢物も、すべて竹取翁の仕掛けた罠だったーー? 翁の術中にはまった帝は禁裏を抜け出し、竹取館へ向かう。愛しのかぐや姫と邂逅を果たした帝は、しかし、病に伏してしまった。天照大御神の末裔は一体、何を見たのか。姫が昇天する夜、月が真実を照らし出す。

これはーうーん。
おそらく紫式部であろう人が、この竹取物語を読んだ感想を思いながら、
「さて自分も・・・」と源氏物語を書くというスタイルらしいが。

その「竹取物語」というのがまたねぇ、「日本最古の物語」とか「日本最古のSF」とか言われてるけれど、子供のころに絵本的なものを読んだわけですね。
しかし、大人になる過程で「宇宙皇子」とか「QED」とか読むと「元の話なんだったっけ??」となる始末で(笑)

これ、もう少し「かぐや姫」という物語の土台がわかれば楽しめたかもしれませんが、ちょっと私には難しかったかも。
逆に、作中の人物がこれから書くであろう源氏物語のほうが詳しいのだ(*´ω`)

そういう意味では私には少し難しい本でありました。

「いつかの人質」 芦沢央



いつかの人質 芦沢央

12年前、誘拐された少女。そして発生した二度目の誘拐事件。目の見えぬ少女はなぜ、再び狙われたのかー。過去と現在を繋ぐのは、誘拐犯の娘。『罪の余白』の新鋭が放つ、戦慄の心理サスペンス!

展開が意外で驚いたっていうか・・・
あれだね。
犯人は自分の大切な人以外は本当にどうでもいいんだねー。
たとえ暴力をふるっても。

盲目の愛子にそこまでしなくちゃいけないかなぁと思ってね。
そういうところは、私が悪に徹しきれないところなのでしょうが。
(まぁ、悪になる必要もないので)

なので、犯人の行動に「うぇーー!?」と思ってしまった。

ちょっと違う推理をしていたんですけどね。
そこは見事に外れました。

しかししかし・・・・読み終わっても愛子が可哀想でしかない印章です。
本人はとても前向きで聡明なんだけどね。

「わたし、定時で帰ります」 朱野帰子



わたし、定時で帰ります 朱野帰子

ねえ、いつまで残業するつもり? 新時代を告げるお仕事小説、ここに誕生! 絶対に残業しないと心に決めている会社員の結衣。時には批判されることもあるが、彼女にはどうしても残業したくない理由があった。仕事が最優先の元婚約者、風邪をひいても休まない同僚、すぐに辞めると言い出す新人。様々な社員に囲まれて働く結衣の前に、無茶な仕事を振って部下を潰すという噂のブラックな上司が現れてーー 。

超~~~面白かった。

上司ってこういう人多いよね。
私は、結衣タイプであります。
だってねー、「事務所は残業代ないんだ」という、社長なので働いても金にならないんだったらしないのだ。
「私は5時までしか金銭が発生しない」と言い切って帰ります。

が!!!

休めない(T_T)
一人事務員なので、物理的にキツい。
そういう意味では三谷がかなりの割合で私の中にいる。

この本を読んでると「上司ってアホだ」と思う。
「死ぬ気になるとなんでもできる」
なんて・・・(´-ω-`)

文中に何度も登場する「24時間戦えますか」のCMがどうの~とか。
そういう年代なので、つい
「ビジネスマーン ビジネスマーン! ジャパニズビジネスマーン」と
叫びたくなる。

休ませようとしないのは、私にだけではなく、工場の人にも強いるわが社の社長。
「お腹痛い」と休む人がいれば、「一日中、腹痛いわけでもないし」という。
しかし、仕事中、トイレに行こうものなら、「便所に行く時間に金払ってない」という。

すみませーん。誰か通訳をっ!!

上司なんてこんなもんさ。

でも、この本もまたすごかったー。
いろいろと強烈で。
福永に関しては絞め殺したくなりました(´-ω-`)
結衣はよくやった。

どうなるのかと気になってほぼ一気読み。
共感しまくり~

「花とアリス殺人事件」 乙一



花とアリス殺人事件 乙一

石ノ森学園中学校に転校してきた有栖川徹子(通称・アリス)は、転校早々クラスメイトから嫌がらせを受ける。どうやら彼女の座る席には呪われた噂があるようだ。そんなある日、アリスは、自分の隣の家が「花屋敷」と呼ばれ、話題にのぼっていることを知る。彼女は、ある目的をもって花屋敷に潜入した。家のなかには、長期不登校中のクラスメイト・荒井花(通称・花)がいた。そこで花はアリスに、驚くべきことを口にする。岩井俊二監督の映画「花とアリス殺人事件」を、乙一がノベライズした伝説の作品がついに文庫化。

岩井俊二が先なのか・・・?
あまりそっちは詳しくないので、あくまでも小説の感想だけにしますが・・・
「学校の謎」とか「学校の怪談」系って、ネタを明かせばそんなことかって感じが多いよね。

ユダに関しては気づかなかった(笑)
発音の問題か。

音で聞くとすぐわかるけど、字で見るとわかんない(^^;)
それとも私が東北だからかな。関東とアクセント違うんだよねー。

「結局あのシーンはなんだったんだ?」
と言いたくなるようなツッコミどころはたくさんありましたが。

一番ツッコミたいのは、会社に押しかけて呼び出して、
でもって、あっさりと受け付けてもらって、しかし出向いたのが本人じゃなく
別の人とか!?

明らかに会社の用事ではない人が伺っているのにそれってなんなん??

あと・・・トラックの下で寝るのは普通に自殺行為だと思います(・ω・)

「君と星の話をしよう」 相川真



君と星の話をしよう 相川真

顔の傷が原因で周囲と馴染めず、高校を中退した直哉は、不思議な青年と出会う。「君の顔にはオリオンがいるんですね」傷をそんな言葉で褒めた青年・蒼史は、小学生の妹・桜月と天文館を営んでいた。成り行きで天文館に通ううちに、親とのわだかまりや将来の不安がほどけていく。が、蒼史の友人だという「コガネ」の存在が、蒼史の過去に深く関わっていると知って…。

【目次】
オリオンは宇宙の鍵を回す/北天の絵本/ペルセウス・ゲーム/アルビレオは見つからない


意外とよかった。
何というか、心にしんみり届きました。

もしかして、私は疲れているんだろうか??(笑)

こういう本を読んで「よかったなぁー」と思う時は大抵クタクタです。
だから本がくれる安らぎっていうか、癒しにどっぷり浸かれるんですよねー。

普通、顔に傷ある初対面の高校生(退学はしてるが)に「君の顔にはオリオンがいるんですね」とか言わないし。失礼とか失礼じゃないとかいう前に、発言がおかしい。

しかし、直哉的にはよかったようで・・・この人もどんだけ疲れているんだと思いましたが、星はいいですよねー。
今回の北海道の震災でも、電気が点かなかったせいで、星がすごく綺麗に写るという画像が流れてきてました。

何日も電気が点かなくてイライラする中でも、そういう写真を撮って流してみんな癒される(〃ω〃)
星にはそういう効果があると思ってます。
星もねー。もう少し星座覚えたいんだけど・・・

「博物館のファントム」 伊与原新



博物館のファントム 伊予原新

自然史博物館で働くことになった女性新人分類学者・池之端環。植物標本の整理を命じられ、未整理の標本や資料が大量に詰め込まれた旧館「赤煉瓦」に足を踏み入れた環が出会ったのは、そこに棲みつくファントムこと変人博物学者の箕作類。「どんなものも絶対に捨ててはならない」が口癖の箕作と、片付け魔の環のでこぼこコンビが、博物館で起こるさまざまな事件の解決に動き出す!

【目次】
呪いのルビーと鉱物少年/ベラドンナの沈黙/送りオオカミと剥製師/マラケシュから来た化石売り/死神に愛された甲虫/異人類たちの子守唄


こういう男女の設定っていうのは古今東西ありとあらゆるところで使われている気がします。
でも、読んでて面白かったからいいかも。

場所が博物館なのでスケールが大きすぎてなんだかさっぱりわかりません。
個人的に、博物館をぶーらぶらするのは好きですが、
そこの展示内容をそれほど気にしてないというか。
ただ「へぇー」「すごーい」「きれーい」程度でスミマセン。

この本に書かれていた、例えば「北京原人化石紛失事件」などは
実話のようで。「へぇー」と思いました。
いつの時代も外国の人は手が早いですね。悪い意味で。

絶対に交わらないと思っていた箕作と環ですが、
結果的にいい相棒となったみたいでそれはそれで不思議。
読んでてもなんだかそういう風に思えなかったから。
まぁ読んでいる限りでは環視点だったからかな。

「浄天眼謎とき異聞録 ~双子真珠と麗人の髪飾り~」 一色美雨季



浄天眼謎とき異聞録 一色美雨季

時は明治。浅草の人気芝居小屋「大北座」では男装の女優・橋本玉緒の舞台が大当たり。一方、裏浅草には生神を自称する祈祷師が現れる。祈祷師の顔は、玉緒に瓜二つで…!?「大北座」の摂取り息子・由之助と、“浄天眼”という魔訶不思議な力をもつ戯作者・魚目亭燕石、その友人で二人を引き合わせた相良警部補が、怪しくも美しい謎ときに挑む。百花繚乱のレトロ浪漫ミステリー。

【目次】(「BOOK」データベースより)
初耳と周知の事実/黒マントの中/虎と蛇と待宵草/麗人の髪飾り/びるばくしゃの筆


気を張らずに読める1冊です。
前作を読んでからそれほど間が空いていないので登場人物の相関図も
かろうじて覚えてました(笑)

相変わらずブルドーザーみたいな翠子ですが、その中でも栄吉に対する愛情
が見えてて愉快。
相良も今回活躍してましたが、何というか・・・モテてたのか。
そこは気づかなかった。
まぁ今回の表紙の左の人が相良なんだろうなー。

燕石と夫婦になった千代ですが、あぁこの2人は元々こうだったんだなと
「よかったね」感がしみじみと湧きました(〃ω〃)

「聖女の毒杯」 井上真偽



聖女の毒杯 井上真偽

聖女伝説が伝わる地方で結婚式中に発生した、毒殺事件。それは、同じ盃を回し飲みした八人のうち三人(+犬)だけが殺害されるという不可解なものだった。参列した中国人美女のフーリンと、才気煥発な少年探偵・八ツ星は事件の捜査に乗り出す。数多の推理と論理的否定の果て、突然、真犯人の名乗りが!?青髪の探偵・上苙は、進化した「奇蹟の実在」を証明できるのか?

シリーズものだったー。

しかも・・・キャラ濃~い(笑)

読んでて「また変なの出てきたなぁー」と。
青い髪の毛の探偵とか、少年探偵とか、中国人の怪しげな女。
この3人がメインらしいのだけど、キャラが濃いうえに、
ロジックという言い方でいいのかなぁー。
推理を組み立てて壊す。
なんか延々とやってました(笑)

途中で登場人物の1人が、「実は自分が殺った」と独白(心の中でね)するわけで、
「どうやってこの人が殺したんだろう」と思いながら読んでいったのですが、
なんか二転三転して終わるころには何が何だか(笑)
まぁどんでん返し系のお話なのですが・・・

最終的にあの犯人はどうやって殺したのか。
その前の犯人候補(?)のやり方はすごく丁寧にやってましたけど、
実際の犯人にそれ出来る??

うーーん。多少納得いかないんだけど、でも中国人女性のキャラが面白いので
シリーズの最初の本を見つけたら読んでみたいです。

「星の子」 今村夏子



星の子 今村夏子

主人公・林ちひろは中学3年生。
出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、
両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、
その信仰は少しずつ家族を崩壊させていく。
第39回 野間文芸新人賞受賞作。


元々は娘の体を治すために、「水」を購入することから始まる。
みるみるうちに娘の体(湿疹)が治り、
「これは素晴らしい」と宗教にはまっちゃう。

これは普通にただの親心だよね。
そう思うと「宗教」というのも考え方かなぁー。
ただ、このご両親は信じすぎたっていうか、
近所から不審人物と思われるくらいのめり込む。
でも、そんな両親が大好きなちひろなんだよね。

そういうちひろにそこそこクールな感じで付き合う同級生たちは
いいと思う。
「あそこんちの娘は変な宗教に入ってて・・・」っていうのは
やっぱり親のようです。

別に人を勧誘しないで自分たちだけで信仰する分には
いいんじゃないかと思いましたね。

「浄天眼謎とき異聞録」 一色美雨季



浄天眼謎とき異聞録 一色美雨季

時は明治。人気芝居小屋「大北座」の跡取り息子・由之助は、物に宿った記憶や人の心を読む力ー“浄天眼”を持つ劇作家・魚目亭燕石の世話役になる。その能力ゆえに引きこもり、女中・千代と共に静かに暮らしているという燕石だが、時に巷で起きる呪いや殺人事件に巻き込まれていることを知った由之助は…。読めば絶対ファンになる、レトロな時代感に彩られた推理、「第2回お仕事小説コン」グランプリ受賞作!

意外にと言っては失礼ですが、面白く読みました。
大体ワカマツカオリさんがカバー絵の小説って表紙負けしちゃうのが多いんだけど
そういう雰囲気で読んだら面白かったよー。

まぁ要するに燕石さんは超能力者なワケです。
明治の時代に「超能力者」なんて言葉もないだろうから「浄天眼」と言われているようで。
その力を使ってあれやこれや解決するのですが、
そこには、身近な人物の血縁の話とか、出生の話とか、血なまぐさい話とか
いろいろとあったようです。
世間狭いな。と思いましたがそれでも面白かった。

個人的には下巻のオスの三毛猫を欲しがるイヤな奴を懲らしめる話が
好きでした。仕掛けに容赦ないです(笑)
当時からオスの三毛猫は珍しいという認識があったのかなー。
「ふぐりのついた三毛猫」って・・・(笑)
そうかー。明治の猫に去勢なんてないね。